目の前にあることは全て鏡

100%の能力に対しての代償は確かに大きい。
だが、大きすぎただろうか?
彼は得たことによって失ったものも大きかったかもしれない。
けれど、失ったことによって新たに得たものもまた大きいと思う。

誰かのために何事かを成す。
一見、大きな自己犠牲の上に成り立っているようにも見えるが、それはいずれ自分のもとに「幸せ」に形を変えて帰って来る。
彼は見ていたではないか。
あるときは「すきやき」として彼女に、ある時は「豚汁」として自分に。

体の自由と引き換えに手に入れたものは、ひょっとするとそれ以上のものだったのかもしれない。

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