祭りがいざなう不思議な出会いの物語

祭りの賑やかな描写、狐の出てくる怪異がにじむ物語の設定、それに寄り添うような丁寧な文体。それらが合わさることで独特の世界が生まれ、あっというまに物語に入り込んでしまいます。そしてメインの二人のキャラクターのたたずまいが、とにかくいい感じです。
長さは短めの中編というところでしょうか。ゆったりと物語に身を任せているうちに終わってしまいますが、ラストの余韻がそれを心地よくしてくれるでしょう。
お手本のようなといえばそうなんでしょうが、それ以上に雰囲気のあるオリジナリティーの高い作品だと思いました。
みなさんもぜひご一読を。世界へと入り込める物語です。

その他のおすすめレビュー

関川 二尋さんの他のおすすめレビュー1,600