本作は、アーサー・コナン・ドイル卿が生みだした世界一の名探偵と、中国四千年の歴史が生んだ実在の拳法家による夢の共演!
シャーロック・ホームズと李書文のコラボ、しかもVSだと?――タイトルで「おおっ!」となった方は、まずは第一話だけでも読み始めてもらいたい。
僕たちのよく知るワトソン君が、ロンドンを舞台に再び走り回るのだ。その上、文章の雰囲気、キャラクターの特徴、会話のテンポ、全てがコナンドイルの特徴を上手く掴み、そのうえでオリジナルのキャラクターを物語に馴染ませている。
シャーロックホームズの世界に歴史的人物を物語に登場させ、史実をしっかりと踏襲しつつ、そのうえで全てのキャラクターを立たせる本作の魅力は、間違いなく武術の描写! バリツ対八極拳の決着をぜひ見届けてほしい。
個人的には、物語の最後でフィクションが史実に合流してく流れに痺れました。
推理好きにも格闘技好きにもおすすめの物語!!
シャーロック・ホームズシリーズは、それが推理小説として優れているが故に、しばしば読者にとって時代性を無視した「永遠なるロンドン」での物語として読まれる。
もちろん専門で研究をする人間にとっては、ホームズ作品の持つ時代性は明らかであり、帝国主義の影響も、あるいはひそやかなナショナリズムも評論され続けてきたのだが、一般読者にとってはそう言った一連の歴史的関心はむしろ意識の外の背景事項に過ぎないだろう。
通常のホームズシリーズでは背景に徹しがちな「時代性」をぐいっと前面に引っ張り出してきたのがこの作品だ。19世紀末から20世紀初頭という、世界がまさに大きく動こうとしている時代の困難を、決して堅苦しくなく、躍動感をもって描いている。
謎めいた赤い服の女性。鉄道の旅。謎の死。人間とは思えない強さの中国の格闘家。
しっかりと組まれた構成と、文章レベルでのパスティーシュの妙。
ホームズを好きな方にも、あまりよくご存じない方にも。
1897年、ロンドンで死んだ二人の清国人。
同時期に清国で殺された、二人のドイツ人。両事件には、どんな関係が?
ホームズを、依頼人が訪ねてくる。
武道の知識は皆無で、李書文も「誰?」状態ですが。
ドイルのホームズは短篇長篇全部読んでるはず。
第一話を読んで、度肝を抜かれました。
ホームズだ、どこからどう見てもホームズ本人が喋ってるよ!
ワトソンやレストレード警部も、何と言うか相変わらずで……。
二話ラスト辺りから、違う方向に度肝を抜かれますが。
○○対○○というのは、両者同じくらい格好良くないと面白くない。
この作品は、私が全く知らない李書文の凄さも存分に伝わってきて、楽しいです。
当時の英国人であるワトソンから見た、清国の置かれた状況に対する感慨も。
この時代背景で、英国人と清国人が協力し合うって凄いことだ……。
ポンコツ可愛いワトソン君が、とても良かったです。
ホームズと生きた年代が重複する実在及び非実在人物はすべからく、その名探偵と対峙するのは自明の理であるが、今回それは李氏八極拳開祖李書文でありました。
この作品を翻案するにあたって、翻案者がどれほどの資料をかき集めたのかを考えると目眩がする思いです。
名探偵と著名人たちの関わりについては先人たちの翻案に任せるとして、李書文に関わる文書を選びだしたことについては「その人が居たか!」と膝をたたきました。
当時の世相や風俗なども事細かに描写しているのでうるさがたもニッコリなのではないでしょうか。
読めばわかります。
あと「バリツVS八極拳」の対戦カードというドリームマッチを見れるのはこの作品だけ!!!!
世界一の名探偵と世界的有名武術家の夢の競演!
「さあさあ、シャーロキアンも、李書文や八極拳好きな人も皆、よっておいで~」
冒頭から最後までノンストップでジェットコースターのごとく・・・いや、それよりも早いVMAXのVブースト時速260kmで読みました。
事件のはじまりからもう先を想像してニヤニヤがとまりませんでしたよ。ええ、そりゃあもう。
そして某李さん登場でボルテージ上がり、八極拳VSバリツでボルテージMAXになり、そのままラストまでビンビン状態でオーバーヒートですよ。
読んでいるうちに、ホームズと李書文のイメージ絵を描かずにいられなくなるほど、楽しい作品でした。
追伸:ホームズも李書文もやはり読者それぞれの持つイメージがあるでしょうから、描かない方が良いかもと思いましたが、ついつい。
ホームズは原作小説の表紙や挿絵の印象、シャーロック・ホームズの冒険(ジェレミー・ブレット)、名探偵ホームズ(広川太一郎)を足して割ったイメージで、
李さんは、私の潜在意識に某○児のあのイメージが強く残りすぎていて、ちょっとそっち方向に近くなってしまいました。
読後の多幸感が凄すぎて言葉に上手く言い表せないのですが、強烈なまでに作者さんが趣味に突っ走った結果に生み出された奇跡的な痛快作だと思います。
いや、突っ走ったというより、ぶっ飛んでるなこれは。梧桐さんの頭はぶっ飛んでいる(褒め言葉)。
いったいどうしたら名探偵シャーロック・ホームズと八極拳の達人・李書文を出会わせようなんて発想が思いつくのか!?
しかも、第一次世界大戦で猛威を振るう毒ガス兵器を開発したフリッツ・ハーバーが暗躍し、ホームズとワトソンは義和団事件前夜の中国へと向かうだとぉ!? ミステリー好きやアクション好きだけでなく、歴史好きもワクワクさせる展開ではないか!
さ、さらに、李書文の一撃必殺な八極拳に対抗して、ホームズの幻のバリツが炸裂するなんて! 混ぜるな危険すぎる……!!
でも、読者が軽く失禁してしまう程度に二人の天才のバトルは熱い!!
この小説、ホームズのバリツが見られるだけでも読む価値があります……!
「シャーロック・ホームズは知っているけれど、李書文って誰やねん」と考えている方は、とりえあえず李書文が登場するエピソードまで読みましょう。「こいつ、人間かよ!」と思うぐらい強い李書文に圧倒され、さらにそんな化け物の武術家と渡り合えるホームズのバリツに驚愕すること間違いなしです。ここまで読んだら最後、ラストまで読まないと気が済まなくなるでしょう。
歴史・ミステリー・アクションの要素が三位一体となったこの作品。
歴史好き、ミステリー好き、アクション好きのどれかに当てはまる人が読まなかったら絶対にもったいないと思います。読書中、「こういう作品が読みたかったんだよ!」と幸せになれること請け合いです。
(ただし、読後にコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズや武侠小説を読みたくなってたまらなくなる副作用がありますが、そこらへんは自己責任でお願いします)
さあ、皆さんも、ホームズとワトソンと一緒に、清王朝末期の中国で冒険しましょう!!
ちなみに、今作品の最大の萌えキャラはワトソン君です!!(^ω^)
ホームズと八極拳とは、今の私を構成している根幹並びに結果と言っても過言ではない。
なぜなら私はホームズがバリツなる武術を修めていると知り、それに倣って武道を始めたところ武術に傾倒し、部分的ながらも八極拳も修めることとなった経緯があるからだ。
つまり私の中では、ホームズと八極拳は密接な関係にあると言っても過言ではないのだ(この時点で私の発言が常軌を逸しているものと察してほしい)。
さて、そんな私の趣味嗜好をど真ん中から攉打肘頂でぶっ飛ばしにかかってきた作品がこれである。
この題材が面白くないわけがない。果たして読まずにいられようか。
しかも読んでみて度肝を抜かれた。まるで一本背負いを喰らったような衝撃だった。
当時の国際情勢を鑑みながら緻密に編まれた時代考証、さりげない一文に見事なまでに仕込んだ伏線とその回収、飽きさせずに最後まで持続する沸き立つ展開の連続。
歴史小説としても、ミステリーとしても、そしてエンターテイメントとしても極上の一作だ。
ホームズも李書文も知らぬ方には、もしかするとこの作品は楽しめないかもしれない。
ホームズか李書文のどちらか一方でも知っていれば、この作品は一気に面白くなる。
そしてホームズと李書文の両方を知っているならば、覚悟せよ。
琴線をぶち抜き七孔噴血させんが如き衝撃に。
私は事前に下読みをさせて頂きましたので、そのうえでのレビューを書かせて頂きます。
ホームズという世界的にも有名なミステリー作品の主人公と李書文という清朝末期の著名な武術家が共演するというミステリー好きの方にも歴史好きの方にも是非是非オススメしたい作品です。
ホームズやワトスンの特徴もよく捉えていますし、歴史的な背景も実によく調べられていて、ホームズが実在の人物と錯覚してしまう程だと言っても過言ではないでしょう。
また、梧桐さんの作品ではテッパンとも言うべき格闘シーンの描写はさすがと言うべき臨場感で溢れています。
シャーロキアンもきっと納得できる良作だと思います。
なんだこれは、たまげたなあ。
英国に留学した日本人がホームズと絡む、的な話はどっかで見たことがあるような無いような気もするんですが、ホームズが清国人絡みの事件に乗り出す、というのは、当時の英国と清との関係をよくよく考えればアリなのかもしれませんが、実際に書かれているのを見ると驚くしかない。それこそコナンドイルだって考えつかなかっただろう。
で、冒頭部分だけでもかなり幅広いディープな時代考証がされているなあと思ったら、得意なことがそれぞれ違うフレンズで知恵を出し合って群れで戦うやり方がありましたか。
それにしてもホームズは何度でもよみがえる。そこが魅力ですかね。