最高の頭脳&最恐の拳術
- ★★★ Excellent!!!
ホームズと八極拳とは、今の私を構成している根幹並びに結果と言っても過言ではない。
なぜなら私はホームズがバリツなる武術を修めていると知り、それに倣って武道を始めたところ武術に傾倒し、部分的ながらも八極拳も修めることとなった経緯があるからだ。
つまり私の中では、ホームズと八極拳は密接な関係にあると言っても過言ではないのだ(この時点で私の発言が常軌を逸しているものと察してほしい)。
さて、そんな私の趣味嗜好をど真ん中から攉打肘頂でぶっ飛ばしにかかってきた作品がこれである。
この題材が面白くないわけがない。果たして読まずにいられようか。
しかも読んでみて度肝を抜かれた。まるで一本背負いを喰らったような衝撃だった。
当時の国際情勢を鑑みながら緻密に編まれた時代考証、さりげない一文に見事なまでに仕込んだ伏線とその回収、飽きさせずに最後まで持続する沸き立つ展開の連続。
歴史小説としても、ミステリーとしても、そしてエンターテイメントとしても極上の一作だ。
ホームズも李書文も知らぬ方には、もしかするとこの作品は楽しめないかもしれない。
ホームズか李書文のどちらか一方でも知っていれば、この作品は一気に面白くなる。
そしてホームズと李書文の両方を知っているならば、覚悟せよ。
琴線をぶち抜き七孔噴血させんが如き衝撃に。