老兵は死なず、ただ、潜るのみ

 深度は充分か? OK?
 聴覚はクリーンか? オーバー。
 主人公は、バカでクソったれなジジイ? クレイジーだな、おい。
 さあ、潜ろうか、この文章の海へ。コピー?

 緻密なSF世界に溺れそうになるほどのメカ描写。
 死神が耳元にささやきかける地獄の潜行、常に死と音と隣り合わせ、そんな戦場で命を幾重にも海へ沈めてきた男の、最後に花開く信念と生き様。

 私は、面白さのブラックホールに重く押し潰され、墜ちていきました。

 この深く暗い金属海の底に射す光あれ。
 愛を。
 AIを。
 その先に、白いワンピースの少女の残影。

 最後に、感謝と敬意をもって、この言葉を。どうか。

 ――おやすみなさい――

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