概要
豊富な魔力で行使する破壊の力「魔法」を用いる魔族。
わずかな魔力を効率的に運用する技法「魔術」と剣技を組み合わせて戦う人間。
長い間続いていた戦いは遂に魔族の長、「魔王」との決戦までたどり着いていた。
まもなく始まる魔王討伐戦。それを前にとある女性に騎士団への招集がかかる。
彼女の名はトウカ=フロスファミリア。王国屈指の騎士の家の出身でありながら家を追われた存在。
対して姉のオウカは王国騎士団の実力者。
共に歩んだ道はいつしか分かれ、修復不能なほどに壊れた仲のまま二人は討伐戦へ突入していく。
そこで出会うものが二人と世界を変える存在と知らずに。
第1部「魔王討伐編」(約8.5万字)
第2部「主要五家編」(約18.7万字)
第2.5部「日常編」(約3
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人の絆が見せてくれる景色
かたや、凛と国を背負って立つ英雄。
かたや、フードで顔を隠しておろおろ歩く作家。
ずっと前に関係を断っていた双子の姉妹は、「人間と魔族の最終決戦」という情勢から再び相まみえることになる。
そんなところから始まる物語です。
主人公で双子の妹のトウカは、過去の出来事から自信を失い、不安げにしています。
姉のオウカは王国最強と謳われ、その名誉に恥じないように気高く振る舞っています。
姉妹の再会は決して明るいものではなく、オウカはトウカに憎しみをぶつけ、トウカは怯えて惑います。
二人がなぜすれ違ってしまったのか、そして今もすれ違い続けているのかの描写が巧妙です。
魔族との戦いの行方というマクロな舞…続きを読む - ★★★ Excellent!!!かっちりとした構成に厚みのあるキャラクター
一部まで読みました。
とにかく主役二人がよく書けていて、確執の背景とそこから至った経緯が面白く、うまいです。次章以降につながるキャラクターとの出会いも自然で、しかも配役的な類型があまり思いつかなかったので新鮮でした。
ハイファンタジーは舞台の説明で個性を出すことは少なく、どちらかというと勢いと軽快さで盛り上げるものが多いと思うのですが、この作品はそうした要素に緻密な構成と硬質な筆致が加わり、読みごたえがありました。
続きも気になりますが、他のジャンルも読んでみたいです。作者の職人肌的な感性は、いろいろな方向性へ開花する可能性を感じました。 - ★★ Very Good!!華やかさと熱さが同居した絆の物語
2部まで読了しました。
高い水準でまとまったハイファンタジーという印象でした。
魔王討伐戦といういきなりクライマックス感の漂う序盤から始まり、姉妹の確執を乗り越えて、魔王の娘マリーを共に育てていくという1部は中々に面白い構成だったと思います。
他の方も述べているようにバトルシーンや展開に熱いものが多く、それが泥臭さというよりキャラや技、描写の巧さもあって『華やかさ』を感じる熱さといった感じです。
そして愛情や友情、絆といったテーマがブレることなく、一貫した物語として成立しているので、雑音を感じることなく読み進めることができました。
何よりこれは魔王の娘マリーの成長物語というだけでなく、マリー…続きを読む