静かに終わりつつも躍動の予感。 心に凪が吹きました。

当初から絶対に読もう、絶対におすすめレビューしようと決めていた作品です。まず、吸血鬼と言えば、北欧のジルやエリザベート・バートリーなど、西洋に固定され、かつ、馴染みがあるだけに、この作品には興味を引かれたキーワードがありました。それが


「若君」


え? 若君? 殿様風味なの? 刀持ってるの? 血、吸うの?
(o^-^)

これだけでもう読者としては「どんなお話なの?」とワクワク感を隠せなくなります。本筋やコミカルさは、他のみなさんが丁寧に触れているので、わたしはちょっと違う部分を取り上げてみたいと思います。

存在価値。誰しもが必要だと言って欲しいと思いつつ生きている。

血を分けあたえるという行為の彼方に見えるモノは、見えたモノは、きっと信頼に等しいものではなかったかと。
凛々しい「若君」の苦悩や、街の異変を感じ取り、奮闘するヒロインが健気でした。

キャッチにも書きましたが、心がふわっと解き放たれるような、それでいて優しい場所に還ってきたような。人間愛に溢れた吸血鬼物語だったように思えます。

――また逢う日まで。そんな言葉がきっと似合う、躍動の予感。

いかがですか? 和風だからこその骨太な吸血鬼物語に貴方も触れてみませんか? 

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