小学校のクラスメイトの淡い恋を描いたお話です。
小学生の頃って、しょうもない嘘をつく子がいましたよね。
たいていは、人に良く思われたい、自分に注目してほしいという類の目的で。
主人公の女の子もそんな感じの子です。
罪悪感をともなわない程度の軽い嘘が嘘を呼び、最後にはとてつもない罪悪感にかれらてしまう少女。
けれどもその罪悪感の中で、嘘ではない自分の気持ちに気づいていきます。
教室の様子や山の様子など、無駄がないのに丁寧な描写で、小学生だった頃へのノスタルジーをほんのりと感じさせてくれます。
主人公の純粋さ、不器用さに、大人になって嘘を器用につけるようになった自分の心が洗われるような気がしました。