メンヘラの男性遍歴・2人目の彼氏編【2】
メンヘラさえこの黄金期の最中に出会った2人目の彼氏、先輩君。
私の黄金期が終わって見事構ってもらえなくなったわけは、先輩君を切り捨てる私を見て周囲の人がドン引きしたからじゃないかなと思ってます。
先輩君は、様々な術を使って私への愛を表現していきます。私の行き帰りを最寄り駅まで付き添ったり、先輩君のお金で彼の地元周辺(隣県)へ連れて行ってくれたり、誕生日プレゼントをくれたり、「食事の時間も一緒にいたい」と言って好き嫌いを次々克服したり。最初がありがたかったのですが、だんだん鬱陶しくなっていきました。
このときになってやっと、インテリさんの気持ちがわかった。一方的に、全身全霊で愛をぶつけてこられるのってこんなに疲れるものだったんですね。お別れする直前私が暗黒面に堕ちかけてたことを考えると、インテリさんは寛大だったなと思う。学びました。インテリさんごめんなさい。
さて、一度こちらが苛立ち始めたら後は早かったです。デートの時のちょっとしたアクシデントが元で別れました。今回も理由は「今はいいけど、長い目で見たら恋人関係を続けることがマイナスになると思えた」です。今ならつきあい始めてほんの数ヶ月。情が湧いたら別れにくくなる。今のうちに別れておこう。って。
それに、ここも前回と同じです。「あくまで解消するのは恋人関係。友達としての関係は可」。
レアな考えらしいけど、これについては今も異論はない。恋人と友達は違います。恋人としての関係はナシでも、友達ならアリってケースは普通にしてあると思うんですよ。性交渉があったら変わるのかな? それはその時考えればいいや。
とりあえず、先輩君とお友達(もちろん性的な意味じゃない)として関係を続けるのは、少なくとも私にとってはアリでした。幼馴染君は、恋人でいた期間が二十歳前後の若者としては長すぎたから、破局した後の関係を築ききれなかったのではないかなと。
この考えが今後にメンヘラさえこを大いに苦しめることになります。
その後、こちらからきっかけを作って話し合い、しばらく友達としてつきあいが続きました。きっかけを作るの、ダメだったかな? 話し合ったんだからいいと思うけど、常識的にはいけなかったのかな? そこは正直よく分かりません。
当然のことながら、最寄り駅までの送迎やプレゼントは受けなくなりました。もちろん、友達とする以上の体の接触もです。手をつないだりそんなん。いくら私が構ってちゃんでも、別れておきながらそこを破るのは間違ってるとは思ったし。
先輩君との友達関係は、だいたい半年くらい続きました。だけど、やっぱり一度彼氏彼女になってから距離をとるのは難しかったんだと思います。特に先輩君側からすれば。
先輩君も、最初は私が頼んだ通りの距離をとって行動してくれていました。だけど、途中からテンポがずれるようになってきた。元々、親しい人とも親しくない人とも距離感のない人だったんです。「好きだったけど破局した彼女と、距離を考えつつ友達やっていこう」って今思えば難しかったのかなって。
え? なんで元彼が私のせいで悩んでるのに他人事か? 他人事だからです。愛想を尽かしてるからです。自分の方が大事だからです。
私は口に出してやめてくれと言ってました。そこの禁を破った責任は先輩君にある。下に見たり謎の理由で怒ったり(後述)した辺りなら思い出すと後ろめたいけど、それ以上は知りません。まあ幸せに生きろよ、としか。
先輩君の距離感のなさですが、しばらくはさえこさん、我慢してました。馴れ馴れしいのは元からだし、今更です。だけどまた今回も、不満は徐々にたまっていった。
よく一緒に行動する女友達2人も、同じ理由で彼にうんざりしてきていました。しかも2人のうち片方は、元々男性と一対一で向き合うのが苦手だった。この男性が苦手な子は乙女ちゃんと呼びます。趣味が乙女だから。もう1人は平熱ちゃんにします。なぜなら、なんかこう、不思議なところでクールでなかなかアツいノリにならないから。平熱ちゃんのネーミング悩んだ。
乙女ちゃんは私と先輩君が交際してた当初から「さえこの彼氏に話しかけられるのが怖い」と言ってました。先輩君にはつき合いたての頃に事情を話して、「さえこや平熱さんが一緒じゃない時、乙女ちゃんに話しかけるのは避けて欲しい」と頼んでた。
乙女ちゃんと平熱ちゃんがうんざりする様子を見て、私も腹が立ってしかたなくなってきました。イライラを人のせいにできるって便利ですね。自分より人が嫌な目にあってる方が、安心して怒れる。怒ったって私のせいじゃないもんね。
この辺で私、「しばらく距離を取ってくれ。今はあまり話したくない」と頼みました。彼は了承。ですが、先輩君にはそもそも距離を取るってどんなことかわからなかった。話しかける頻度が多少落ちただけで、相変わらず何かと理由をつけて関わってくる。
その後も彼には何度か、やめてくれと言いました。それを続けても結局、彼は話しかけなくなるだけで、こちらをじっと見ていたり、不意に笑いかけてきたりした。私と話さなくなっただけで、乙女ちゃんと平熱ちゃんは話しかけてたし。それだってやめてって言ってるのに。さえこさん、相当イライラしてました。人前で笑いかけてくるだけで「恥をかかされた」と思う始末。普通は思わないのかな? ここまでは。
単独の乙女ちゃんに話しかけたのをきっかけに、さえこさんのストッパーが外れました。講義中に最前列の席から笑いかけてきたことをきっかけに、ついにブチ切れます。講義が終わって人が大講義室からワラワラ退場していく中、乙女ちゃんや平熱ちゃん、残った同級生たちの前でキレました。
あー、引かれただろうなー。ここで保身を考える辺り、メンヘラさえこクズですな。
こうしてキレた後はさすがにもう、関わりはなくなったんじゃなかったかな。わざと避けてる感があってまたイライラしたけど。私と廊下でばったり会うと回れ右をして元来た道を戻っていったり、同じ講義室に入ったら私と反対側の席に移動してみたり。
まあ次の恋愛でさえこさん、先輩君以上に粘着するんですけどね。「やめて」って言ったんだから、私悪くないよね? うん。なんで私、自分がイラついたこと、後ろめたく思ってるんだろう。恥をかかされたって、別に口に出したわけじゃないんだけどなあ。
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