百の景色 百の想い   【超訳】小倉百人一首

作者 桜井今日子

73

25人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

 古文や古典や百人一首、苦手な人、いらっしゃいますよね?
 学校の授業で、必死に覚えさせられた……という人も、いらっしゃいますよね?
 あり、をり、はべり、いまそかり。なんだそりゃ。
 そのような読者さまは、これを読んで悔しがってください……。あの時に出逢えていれば……と。

 これから授業でやるよ……という読者さま。あなたはなんと羨ましいのでしょうか?
 授業で悩む前に、このエッセイに出逢えたことを喜びましょう……。

 それくらい、百人一首が思った以上に理解できると思います。とにかく【超訳】が秀逸なのです。
 はるか昔の詠み人たちだって、恋をしていたはずです。その時の想いが今の言葉で綴られています。わたしたちにも、理解しやすい、現代の言葉で……。

 わたしは、最初にこのエッセイを読んだ時、古文の教科書がこれだったら、楽しく覚えられるのに……と思いましたが、皆さまはどうかな……?

★★★ Excellent!!!

古文が苦手という方、和歌の意味がわからないから読めないと思っている方、大丈夫です。
この作品は、この作品ならではの【超訳】がついています。

この作品では、一首につき、原文と、作者さまが現代語訳したもの、その解説、作者さまの解釈がついています。

超訳はもちろん、解説が非常にわかりやすく、読むごとに知識がどんどん増えていきます。

時には恋の歌、時には人生の歌、季節の歌と、毎日読むのが楽しみでした。

もう何百年も前に詠まれたものなのに、現代にも通じる共感できる内容で、時代は違えど、人と人とのコミュニケーションはいつの時代も変わらないのだな、と思いました。
おすすめです♪

★★★ Excellent!!!

一気に拝読いたしました。
百人一首となると、学校での勉強か、よほど好きでない限りその存在しか知らないかたは多いかもしれません。
なぜ今作が学校の教科書に採用されないのか、文科省に直談判したいくらいです。
日本語の美しさをあらためて感じるとともに、超訳の面白さがとにかく良いのです。
凄い作品です。
もっともっと色々なかたに読んでほしい。日本に住まい、四季を過ごす私たちは。
単なる歌集の解説? いえいえ、とんでもない!
ポップな学術書と申し上げると語弊があるかもしれませんが、しっかりと楽しみながら先人が遺した、今なお読まれ続ける心のバイブルにふれることができるのです。
この作品は、時間を捻出してご覧いただくことを切に願います。

★★★ Excellent!!!

こういうのを待ってました!
現代風にアレンジした後に、意訳や詠み手の解説をもってくるあたり、作者さんの百人一首への愛情を感じます。
最後に、作者さんのコメントがあるのも本作品の面白いところではないでしょうか。
現代に置き換えても共感できるものがこんなに多いんだなと、驚きました。これは作者さんの手腕のなす技でしょう。


これ、是非現代を生きる皆さんに読んでもらって、日本古来の文化に興味をもってもらいたいです!
(文学部日本語日本文学科卒としての意見でした)

★★★ Excellent!!!

百人一首はチョット...と思っている貴方(貴女)! 是非、読んで!
この作品、本当に良く出来てます。
一首ごとに、原文、ふりがな、超訳、意訳、詠み人、決まり字、雑感の小見出しで整理されており、理解し易い。
中でも超訳と雑感は作者の解説なんですが、これが面白い。
勉強になる情報もふんだんに有って、例えば”決まり字”なんて私は知りませんでした。上の句を聞き終えてからカルタを取るものだと思い込んでいました。
”決まり字”で行動を起こすから、競技カルタの選手はあんなに早く取れるんですね。
和歌番号の存在も、全く知りませんでした。これを知った上で作者の解説を読むと、確かに栄枯盛衰を感じます。
それでも百首も有れば途中でダレると思うんですが、コツを一つ教えましょう。一首ごとに応援コメントで自分なりの感想を書いていくと、アっという間に読了します。まとめてレビューに書こうとすると、前の方の歌の感想を忘れて、読み進む意欲が萎えます。
但し、応援コメントへの回答を作者に期待しないように。100の応援コメントが送られる現象は、作者にとってサイバーテロ以外の何物でもありませんから。

★★★ Excellent!!!

百人一首を現代語訳した話です。

これは読みやすい、古文が嫌いだった学生時代に出会いたかった。

でも今出会えてよかったという思いもあります、それはちはやふるという百人一首のかるた漫画を知ったからです。

合わせて読めば、さらにこの世界に入り込めるでしょうね!

次回作に期待して、星3つ送らせて頂きます。

いやー、いい小説に出会いました、ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

仰々しい言葉が古文から遠ざかる理由。
本当は日々自分たちが思っていることと同じことを考えていたり、
恋する気持ちに悩む様子も同じだったりする。

うりゃー!って感じの超訳が大好きです。(褒め言葉です)
きっとこういう気持ちだったから
うたにせずにはいられなかったのでしょうね。
今のツ○ッターと同じ同じ。

超訳と呼ばれるものを様々読みましたが、
もっと早くにこの作品を読んでいたら……!
楽しさを知って古文の先生になっていたかもしれない。

訳だけでなく、それぞれの和歌の背景や小話も書かれているので
すんなり意味が頭に入ってきます。

★★★ Excellent!!!

昔の人にとっての和歌はコミュニケーションツールで、今で言うと電話やメール、LINE、Twitterなどと同じ位置付けですので、ほとんどは気軽な/生々しい、生きた「人の声」です。
そんなことを改めて気づかせてくれる、とてもいい作品でした。

どの超訳・解説も分かりやすく、いい感じですが、特に恋に関する説明が楽しく、こういう解釈もあるんだなとうなずいたり、くすくす笑ったりしながら読みました。

あと百人一首をする人には、「決まり字」までフォローしているのがちょっとポイントかもしれません。

★★★ Excellent!!!

これはすごい!
百人一首が漫画などで話題になっている昨今、若い人達も気軽に手を出せる作品ではないでしょうか。
しかもとても現代的で分かりやすい超訳付き!
そして詠んだ作者の背景までついてるので、それを想像して歌に入り込みやすいです。
興味のある歌からどこでも読めるのもいいです。

保存版ですよ!

★★★ Excellent!!!

 私は高校で古典を教えています。自分では「面白い」と思って教えていても、なかなか上手にその面白さを伝えられません。だからこそ、こういうふうにわかりやすく書かれてる方の文章に出会うとほっとするのです。
 古典の世界も現代も、人を愛する気持ちは同じです。それがとてもよく伝わってきます。読んでいるといつのまにか、昔の恋を思い出してせつない気分になってしまいます。

★★★ Excellent!!!

 百人一首? まったく知らない。知らないのだが、興味を持たせる素材としてこれほどの良作は無いと思う。
 これ本当、普通に販売できるレベルじゃないか?

 とくに超訳が素晴らしいです。
 西野○ナや他のアーティストのような世界観とか、子供達に百人一首を普及させるのに役立つと思いました。

★★★ Excellent!!!

覚えなくちゃ…子供のときに強制的に暗記させられたのが百人一首でした。
出会いは最悪だったと思います。
それが、カクヨムで出会いを上書きしてもらえるとは思いませんでした。
遠い遥か時空の彼方から、「やぁ」とか「どうも」とか言いながら寄り添ってくれる人々。こんなに魅力的な人たちだったんだ…。
そしてただ魅力を感じるだけでなく、今の自分の幸福を「ほらね」と見せてもらえたことも、このエッセイの素晴らしさだと思います。
良い出会いをありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

同じ日本語であるにもかかわらず、古文の良さが理解できないボク。
高校時代は受験のための1つのツールに過ぎずそれ自体を楽しむ余裕などなかったことで、何かしら先入観が植え付けられたのかもしれません。

ただ、この作品に触れることでそんな先入観が少し薄らいだ気がしました。
古文を読んで苦笑い&ひきつり笑い以外の笑いが出てくるなんて思いもしませんでしたもん(笑)

いろいろな意味でお勧めの作品です❤

★★★ Excellent!!!

だいすきな 私の名にまで つけている 句。
「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」
もし、私が訳すなら、こんな風に。

くさはらに、ひとり、たっている。
まだ肌寒い、だが もう春が来る 予感の中で
風を 一人占めして、遥かな空を見上げる。 あの人を想って。
芽吹いた 若い菜を 手のひらで 包み込み、そっと摘む。
ひらりと 雪ひらが 降ってくる。
袖にのった 雪の結晶は まるであなたのようだ。
抱きしめて、想いを馳せて、そして、飛んで行きたい。

そう、百人一首の時代には、その草原に 二人で立って
一緒に空を 見上げることは ないんだ。
女の人と殿方は 昼間 逢うことは 叶わないのだから。
夜の帳が降りた 向こう側でしか 逢えず、朝が来れば 消えてしまう。
そして、私の想い人は、私だけを見ているわけではない。

ああ、現代に生まれてよかった。あの時代のせつなさ、儚さに
身を置いてみたいとは、想えないもの。 見てるだけで十分。

百人一首の ひとつずつに 丁寧に その背景をつけながら
今日子さんの 優しくて 愛のある想いが 伝わってくる すてきな新訳です。

自分のすきな句からでも、すきな 季節の句からでも
あまたある 恋の句からでも 探して 浸ってみて下さい。
そして、恋文ならば、誰に宛てたものなのか 探って
相手が 存在するならば、そちらの句も 読んでみたいと 想わせる。
札を持っているならば、隣に並べてあげるのも 酔狂でしょう。

十二単の 衿のあわせ(逢わせって書きたくなる)に
和のこころの色が 表現されているように、ここにも 色が漂っています。
一つずつの章につけられた句が かわいい雲のようです。
そして、百人一首を 想う時、どうしても 月が かかせないですね。