お互いの欠損を補完するヒトと竜の物語

女の子は謎の集団に村を焼かれて故郷を失います。竜も謎の人物の襲撃により棲み処を襲撃され彼を残して全滅しました。

二人とも悲劇にみまわれたときに、身体の一部を失っています。女の子は片腕を失い、竜は片目を失いました。どちらも普通に生活するにも大切な部位です。だから二人はお互いの弱点を補完しながら旅を始めました。大事な目的があったからです。

女の子は音信不通の兄と会うために。竜はこの世界のどこかに残された同胞を探すために。どちらも敵討ちよりも近しいひとを探すための動機が大きいわけです。

しかし近しいひとを探せば探すほど、自分たちに悲劇をもたらした謎に迫っていくことになります。

いったい誰が女の子の故郷を焼いたのか。いったい誰が竜の棲み処を襲撃したのか。

その答えは、奇妙なほどに焦点が重なっていくことになります。

どんな焦点が隠されていたのか。女の子と竜は旅の目的を達成できたのか。すべてはあなたが読むことで補完されるでしょう。

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