気高き竜と、運命に立ち向かう少女。このふたりが大好きだ!

ああ、このふたりのやり取りが好きだ!

「竜は人助けはしない」と、気高き竜の誇りを貫くジーヴ。
「あんたが言ったこと。後悔させてやる」と、息巻く少女・アイシャ。
竜は片目を失い、少女は片腕がない。だからお互いがお互いのないところを補うパートナー……なのだが、決して馴れ合ったりはしない。
でも、その反面、心のどこかで強く結ばれている。
互いに憎まれ口を叩きながらも離れたりはしない、このどこか腐れ縁の幼馴染みたいな心地よさがたまらない。

アイシャは生き別れた兄を探し、ジーヴは全滅してしまった同朋・黒竜の生き残りを探して旅をする。
物語はやがて世界を揺るがす陰謀へと繋がっていくのだが、正直なところ、もっといろんなところを旅して欲しかったとふたりには不謹慎な事を考えるぐらい、彼らのやりとりが楽しかった。

多分このふたりとなら、自分は何十万、何百万の文字の大海でも一緒に渡っていける(蛇足だが、それぐらい文章のクオリティも高い)。
物語が幕を閉じた後の外伝も文句なしに最高だった!

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