概要
不思議が導く出会いの先に、悠里を待ち受けるのは……
ちょっと笑えて、ちょっと怖い
少しだけガールミーツボーイなSFファンタジー
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!加速世界に異議あり! のんびり生きるが勝ち✨
松下真奈さんの「加速する世界を 半分の歩幅で歩いてみなよ」、第一章の第20話まで読ませてもらったよ。この作品、現代社会の忙しなさに疑問を投げかける、めっちゃ新鮮で心温まる物語やったわ。
主人公の悠里さんは、いわゆるのんびり屋さん。でもこの物語では、そののんびりとしたペースが、めちゃくちゃ大きな魅力になってるんよ。悠里さんが不思議な小石、いや、時間球に出会ってから、彼女の周りの世界が少しずつ変わり始める。秋月くんや八幡ちゃんといった個性豊かなキャラクターたちとの出会いも、この物語をさらに魅力的にしてるわ。
特に、宇宙人の八幡ちゃんが加わってからの展開は、SFファンにはたまらんと思う。時間を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!タイパ、という流行語にあえて逆行することで持ち味を引き出した作品
映画の高速再生であるとか、youtubeの動画をコマ送りするなど、時間を短縮して内容を摂取する生き様が『賢い』と評される時代になりました。
しかしこの作品は、あえて逆行しました。
タイパを重視して生き急ぐ人々から、時間球という特殊な物質がこぼれ落ちてしまう設定なのです。
どうやらタイパが優れた生き方というのは、時間球という形で自ら時間を捨てているみたいなんですね。
さらにいえば、宇宙人も時間球を求めているため、時間球を排出しやすい地球という環境は、都合のいい狩場になっていました。
これらの設定だけでもユニークなのに、物語の根幹はもう一歩先にありました。
もし時間球を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!深呼吸のススメ。ここちのよい歩幅。
まず出だしがすごかった。
倍速動画を片手に朝食をとり、雑誌を読みながら通勤することに慣れた現代人は、どこか釈然としない焦燥感をつねに抱いている。
毎日がひたすらに長く、新たな発見に満ち満ちていた幼少の頃は遠く。今では信号待ちですら歯噛みし苛ついている。
そんな現代社会に辟易していた主人公は、ドのつくマイペースな人で、まわりに『のろま』と揶揄されてしまう。
だが、ゆるやかな時の流れにいる彼女だからこそ、歪な社会構造にただひとり気づいていた。息の吸い方を知っていた。
とても共感性能の高い、素敵な主人公じゃないか。
ひとより半歩分あゆみのゆるやかな彼女は、皆が通り過ぎていく小さな脇道に…続きを読む