松下真奈さんの「加速する世界を 半分の歩幅で歩いてみなよ」、第一章の第20話まで読ませてもらったよ。この作品、現代社会の忙しなさに疑問を投げかける、めっちゃ新鮮で心温まる物語やったわ。
主人公の悠里さんは、いわゆるのんびり屋さん。でもこの物語では、そののんびりとしたペースが、めちゃくちゃ大きな魅力になってるんよ。悠里さんが不思議な小石、いや、時間球に出会ってから、彼女の周りの世界が少しずつ変わり始める。秋月くんや八幡ちゃんといった個性豊かなキャラクターたちとの出会いも、この物語をさらに魅力的にしてるわ。
特に、宇宙人の八幡ちゃんが加わってからの展開は、SFファンにはたまらんと思う。時間をめぐるファンタジーと現代社会のリアルが融合していて、読んでてワクワクすること間違いなしやで!
でも、この物語の一番の魅力は、加速する世界の中で自分のペースを大切に生きるっていうメッセージやとウチは思う。今の社会って、いつも急かされてバタバタしてるけど、悠里さんのようにマイペースで生きることの大切さを教えてくれるんよ。
この物語を通して、ウチらも日々の忙しさから少し離れて、自分のペースを見つめ直すきっかけをもらえると思うわ。のんびりとした時間の使い方をしてみると、新しい発見や出会いがあるかもしれんしね。
第二章以降も、悠里さんと秋月くん、それに八幡ちゃんの冒険はどう展開していくのか、もう楽しみでしかたないわ! 加速する世界で、彼らがどんな影響を与えていくのか、そして彼らの関係がどう変わっていくのか、ウチはめっちゃ期待してるで!
「加速する世界を 半分の歩幅で歩いてみなよ」は、ただのファンタジー小説じゃなくて、現代社会に生きるウチら全員に贈る、大切なメッセージが込められてる作品やとウチは思う。読んで、ちょっとでも心が軽くなったり、明日からの生活にヒントをもらえたら、それが松下真奈さんのこの物語の一番の魅力やと思うんよ。ぜひ、皆さんも読んでみてな!📚✨
ユキナ💞
映画の高速再生であるとか、youtubeの動画をコマ送りするなど、時間を短縮して内容を摂取する生き様が『賢い』と評される時代になりました。
しかしこの作品は、あえて逆行しました。
タイパを重視して生き急ぐ人々から、時間球という特殊な物質がこぼれ落ちてしまう設定なのです。
どうやらタイパが優れた生き方というのは、時間球という形で自ら時間を捨てているみたいなんですね。
さらにいえば、宇宙人も時間球を求めているため、時間球を排出しやすい地球という環境は、都合のいい狩場になっていました。
これらの設定だけでもユニークなのに、物語の根幹はもう一歩先にありました。
もし時間球を自ら捨てるような生活習慣を続けていたら、いつか地球人は時間そのものを失うんじゃないか、という懸念です。
ここまで書くと、壮大なハードSFっぽいんですが、そうではなくて、『少し不思議』よりのSFです。
主人公の女の子は、要領の悪いマイペースな学生として描かれています(それゆえに時間球を排出しにくい生活習慣を持っている)
そのパートナーとして、見た目はモヒカン頭で不良っぽいんだけど、実は学力が高くて要領のいい男の子が存在します(要領が良いので焦る必要がなく、タイパを求めなくても成果が出る――つまり主人公の対となる存在)
この女の子とモヒカンが日常生活を過ごしながら、時間球と関わっていくことになります。
しかも地球人に化けた宇宙人も仲間になってくれるので、SF要素の説明はスムーズに進んでくれます。
女の子+モヒカン+友好的な宇宙人=これらの要素のおかげで、軽い持ち味ながら、SFとしての科学性に触れることもできるし、おまけに女の子とモヒカンの淡い恋の行方も楽しめるようになっています。
ちょっと長めにキャラと設定に触れてきましたが、この作品の最大の持ち味はしっかりした文章ですね。軽めに仕上げてあるのに、締めるところを締めている感じです。
SFを読むのが苦手だと思っている人ほど、この作品をおすすめします。SF要素を維持しながら、読みやすい文章を確立しているので。
まず出だしがすごかった。
倍速動画を片手に朝食をとり、雑誌を読みながら通勤することに慣れた現代人は、どこか釈然としない焦燥感をつねに抱いている。
毎日がひたすらに長く、新たな発見に満ち満ちていた幼少の頃は遠く。今では信号待ちですら歯噛みし苛ついている。
そんな現代社会に辟易していた主人公は、ドのつくマイペースな人で、まわりに『のろま』と揶揄されてしまう。
だが、ゆるやかな時の流れにいる彼女だからこそ、歪な社会構造にただひとり気づいていた。息の吸い方を知っていた。
とても共感性能の高い、素敵な主人公じゃないか。
ひとより半歩分あゆみのゆるやかな彼女は、皆が通り過ぎていく小さな脇道に気づいてしまった。
その道は、世界を根幹から大きく揺るがす未知に続いていた。
少し不思議なSF小説。
ストーリーだけじゃない。
紡がれる文章力の高さ、マイペースな彼女に似合わないハイテンポなシナリオ、魅力あふれるキャラクター達。
そして『時間の速度』というテーマが掲げられた今作は、かなり読み応えのある物語に仕上がっていた。
まだまだ第一章、要注目の傑作である。