ちょっとした一言から始まる忘れられない夏

腕っ節が強くて、でもどこにでもいそうな女の子、木村悠。そんな彼女のところに小学生の男の子、亮太が転がり込んでくることから始まる物語。

読みやすい文体と等身大で親しみやすい登場人物で、連続ドラマのような感覚で楽しみました。

悠と亮太を中心に、アパートの他の住人を巻き込んで物語が展開していきます。そして色々な事実が見えてきます。お互いに顔は知っているのに、名前も知らないし話したこともない。でも話してみると意外といい人だったりして。

悩みがあったり、不満があったり、ときには厳しい現実を突きつけられることもある。でも逃げないで向き合っていく。そんな成長の過程がとても丁寧に描かれており、日常に追われているとつい忘れがちになる優しさを思い出させてくれる作品です。

何かがうまくいかない時も、うまくいっている時も、是非ちょっと読んでみて下さい。

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