この小説で何度泣いたか数えられませんでした。

一軒のアパートには色んな人が住んでいます。お隣さんがどんな人なのか、どんな仕事をしているか、どんな人生を歩んでいるか。普段、こんなにも多くの人とすれ違っているのに、私はその人達の事をほとんど知らない。知る機会もないし、欲求もないのかもしれない。
日常生活は小さな出来事で、些細な切欠で激変するかもしれない。

主人公、悠を中心に沢山の人達が見えてきます。悠は何か特別な力も能力もあるわけではありません。ただの人間です。そうこの物語は、ただの人間がただの人間と触れ合う素敵な物語。

異常なまでに練り込まれた人物像と人間性が物語を展開していきます。
時には温かく、時には悲しい。人間の可能性を信じたくなる物語。

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