子供の頃、朝起きるたびに日曜日であって欲しいと願ったことがある。学校が無い、親と遊びに出かける可能性が高い、朝から見たいテレビが放映されている、などなどなど。非日常のお楽しみが溢れていたのが日曜日だった。しかし、考えようによっては、学校へ行く月曜〜金曜(時々土曜)にだって非日常の連続があったりする。見るもの、聞くもの、感じるもの、捉え方次第では月曜日が繰り返されて欲しいと願うことだってある。ならば、心の振り子は大きくぶん回す方が満足できる人生を歩めそうな気がする。大人になったら尚更そうでありたい。
疲れを見せる社会人たちに向けて、今日を生きることへのワクワク感を教えてくれる、読み応え抜群の短編です☆
ある日、いつもの様に仕事に疲れ、いつもの様に家に帰って、いつもの様に眠りについた主人公。その翌日……、のはずだったのに!?
あれれ、なんか変だぞ、の繰り返し。
何かが変わって、何かが変わっていない日常の繰り返し。
おかしい! おかしい世界なのに、僕らは平然と繰り返すのね。
待って! 実は、これって、僕らの現実!?
会社の社名が変わってたり、事業内容が変わってたり、勤務形態が変わってたりなんて、割とよくあるじゃん?
昔だったら、組合がぁ、とか、団交がぁ、とか、あったけど。
何が普通で、何がおかしいのやら、段々分からなくなって来るぅぅ。
困った作品です。
お勧め!
「繰り返す日常」が存在しない世界。そこで私達は果たして生きていけるのだろうか。
想像を絶する摩訶不思議な世界へと一気に引き摺り込まれてしまう、ある意味恐ろしい作品です。
ここに迷い込んだ人間は、結局何の悩みもない天国を味わうのか、それともいずれ精神が崩壊するのか……うまく適応できる人とそうでない人がいるのだろうか? もしも自分なら……そんな想像が、読後も興味深い余韻となって続いていきます。
小説は、とりあえず「主人公の日常」という基盤があって成り立つものという感覚を根こそぎひっくり返してくる、この上なく斬新な作品世界。一度読んだらざわざわが止まらい魅力に溢れた短編です。
テンションが上がらない水曜日。いつも通り出社して、くだらない会話と訓示を聞いて、定時に退社。誰にも文句は言わせない。そして帰宅後はベッドにダイブ。そんな日々を送っていた。
しかし翌日、家の鍵がいつの間にか指紋認証に変わっていた。変わっていたのは鍵だけではない。出社した会社の名前も業務も変わり、人も様変わりしていた。しかも今日は水曜日だという。
そしてまた翌日。やはり家の鍵が変わっていた。そして会社も人も、変わり、業務も変わっていた。
そして街でどうなっているのか考えていた時、「コスプレおじさん」に声を掛けられ、曜日に囚われている人々の存在を知らされる。主人公は水曜日から出られないのだ。しかし、曜日のループから抜け出す方法はあるらしく……。
コメディタッチで描かれる、少し変わった日常。
面白かったです。
是非、御一読下さい。