概要
しかしある時、父が連れてきた『かわいそう』な身の上の燈吉に出会い、それまでの私の日常は不思議と満たされた物へと変化してゆきます……。
※小説家になろうでは、恋愛ジャンルで投稿しておりましたが、こわいという感想が多かったので、カクヨムではホラージャンルで登録しました。
※この作品は小説家になろうとマグネットでも掲載してます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!読みながら思わず『これ最後どうなるんだ!?』と口に出してしまう作品!
読者を一瞬にしてひきつけ、物語の中に没入させていくその筆力は圧倒的の一言!
ただただ楽しみながら、一気読みさせて頂きました。
主人公は裕福な名家に生まれながら、優秀な兄と美しい妹にずっとコンプレックスを抱きながら生きてきた女性。
そんな彼女と、燈吉(あきよし)という名の使用人との間にある「言葉には出さない黒い本心」のようなものがこの作品の魅力だと思います。
「鳴かぬ蛍が身を焦がす」――好きだとあからさまに言う人より、口に出して言わない人の方が心の中では深く思っているというたとえ。
このタイトルの意味にも唸らされました。
『人間を表現する』という面白さの詰まったこの作品、ぜひ、ご一読下…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その告白に耳を背けることができませんでした
とにかく読ませられてしまった。
私さんの語りの巧さと言ってもいいですが、
やはりそこに、人が持つ業(ごう)のような分からなくもない感情の背景があり、私さんのその言葉言葉はこちらへひたりと受け入れさせるものがあります。
その語りで語られる告白に関わる彼の存在が、これまたじわりと影のようにしてあり、この部分にホラーを感じる方が多いと思われる作品。
そしてその中に、奥底にある恋もしくは愛を感じるので厄介だ。ただの怖いはないでは済まないのです。純愛か、狂気か。
鳴かぬ蛍が身を焦がす――口にできない想いをある意味互いに持ち、それはいびつなれどもさてさてどうなるかの結末です。
一読は読了となること間…続きを読む - ★★ Very Good!!とらえどころのない恐怖と狂った「なにか」を見せる多彩な筆
ホラー苦手を公言する私が敢えてお邪魔したのは、同作者の超人気作品「おめでとう、俺は美少女に~」と全くジャンルもテイストも異なる作品を覗き見したかったからだ。
そんな期待に見事に応えてくれた作品だった。
まず冒頭からやられた。一人語りの静けさの中で粛々と進む「なにか」。そして張り巡らされた様々な伏線を拾うには、しっかりと読み込める読解力を求められる息苦しさを覚えるが、最後にそれは見事に昇華される。
言葉の一つ一つも存分に吟味されて仕上げられたのだと思うが、それ以上に、構成による読者の引き込みが上手いと思わず拍手したくなる。
これが人気作家たる所以なのだろう。
また、当初は恋愛ジャンルであったも…続きを読む