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本屋に行って時代小説の棚から一冊引き抜いて買って来たんじゃないか、と思ってしまうほどクオリティの高い忍者小説です。本格派です。公式レビューがついたところを見てみたい、と思うのは自分だけでしょうか。

内容はもう、文句なくとっても面白い。
ウェブで読むには文章量が重いかな? と思いましたが、語り口の妙、登場人物の台詞回しの妙で、読み始めるとあっという間に世界観にどっぷり浸かってしまい、もっと続けて! 状態です。

とにかく登場人物達が素晴らしい。
とくに冒頭で登場する匪土蘭丸(ひどらんまる)がひど……いえ、凄い。登場人物達は彼……いえ、彼女を見ると目を逸らしてしまうのですが、私なんかは逆に、これからいったいどうなってしまうのか目が逸らせなくなってしまいました。
彼女がいったいどんな忍法が使うのか、これはたぶんカクヨムのシステムの特徴となっているあれのおかげですぐに察せられるところだと思われるんですが、まさに予測可能回避不可能です。物語の導入役としてこんな素晴らしい登場人物はいません。

次に蓮姫……好き。

突然告白してしまいましたが、かわいい、可憐、利発で少しわがままなところが愛らしい。凄腕忍者の薬師黄太夫が護衛を務める、古今東西姫君とはかくあるべし、といった美少女です。
彼女は守られているだけのヒロインではなく――詳しいところは内容を読んでもらいたいので、レビューでは書きませんが、とても素晴らしいヒロインです。薬師との軽快なやりとりも、にやにやしてしまいました。生意気な騎士と姫君の関係、たまりません。お互いの魅力を引き立てています。

ふたりはあの後、どうなったんだろう? たくましく生き抜いたに違いない。そう思わせてくれるラストシーンがまた、爽快です。

ところどころに作者の甲賀忍法帖へのリスペクトが織り込まれているところが、らしさだと思います。

すばらしく楽しい読書時間をどうもありがとうございました。
(もしもレビューの内容に間違いや問題などありましたら、お手数をおかけしますがご連絡下さい。)

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