元々キャッチコピーや周りの方の評判でずーっと気になっていましたが
ようやく時間ができて読むことができました!
この作品、実に変態。脚フェチの極み。
作中に「脚」が出てくる回数でギネス取れるんじゃないのってくらい。
だけど何が素晴らしいって、それを変にはぐらかしたり恥ずかしがるのではなく、堂々とかつ真面目に突き詰めていることです。
変態仮面とか好きな方は絶対ハマるのでは?と思います。
語彙力の多さ、地の文のリズムの良さ、そして最終回に向けてのどんでん返しの展開……!
一文一文が名ゼリフ、名キャッチになる力を持っている。
これ無料で読める小説のレベルではありません。
ぜひとも他の方にもお勧めしたい作品です。
第2部まで読了
ちょっとだけ追記しました
なんで戦ってるのかを言わない女と、流されがちな少年
主人公二人のどっちにも感情移入できんなー、と
思っていたのですが、登場人物はおおむねどれも一般人の
理解を超える行動原理しか持っていないと割り切り、
語り部視点に寄って、頭のおかしい表現のドライブ感に
身を任せるのがいいのかもしれません。
どの女性キャラも、いくらでもかわいく書けそうなところ
を敢えてはずし、
「都合のよいキャラ」「萌え記号を乗せただけのキャラ」に
なっていないところはかなりポイントが高い感じです。
ただそのかわり、各キャラが、何のために、何を思って
行動しているのかがあまり描写されていないため、
全部ではありませんが、
「面白い行動をさせる、もしくは話を進めるためのキャラ」
「面白い記号を乗せたキャラ」に見える部分が
時折見受けられる気はします。
脚フェチを標榜している割に、脚そのものへの描写は
意外なほど少なく、エッチ寄り、フェチ寄りの描写や、
各キャラの性的な意味での変態度ももかなり控えめ。
見せたいのはそこじゃない、ということなのでしょう。
――以下ちょっとだけネタバレ――
一つ気になったのは、せっかく全編にわたって作品固有の
戦闘描写を展開しているのに、その説明が不足している点。
もちろん理屈の部分はあえて省いているのでしょうが、
ダメージ描写がはっきりしないのは問題です。
序盤では吹っ飛ばされるのみ。タッグ戦の犠牲者は
エロくならない脱衣のみときて、
一部ラストでは唐突に数か月倒れっぱなしの重体、
二部ではついに死者発生ですが、
そこにいたるまで、「剣脚戦は人が死ぬ」ということが
明記されません。
(「有り体に言って致命傷である」などの描写はあるが、
全然死なない。)
そして、剣脚戦は命がけである、ということが分からないと、
並み居る剣脚女性がどれだけの覚悟を持って
戦いに臨んでいるかもわからないので、
ますます登場キャラが何を考えているのかわからない、
ということになります。
1話の雑魚敵が一般人に大怪我させるとか、
ニュースで惨殺死体でも出しとくとか
その辺の描写を早めに出しておいたほうが良かった気がします。
落としてばかりも何なので、あらためてよかった点を。
やはり最大の魅力は、剣脚たちが使う個性的な技の数々と、
それを可能と言い張る無茶理論でしょう。
それこそネタバレなので言及は避けますが、
脚に関係づける、という縛りをものともせず、
単なる言葉遊びにとどまらない幾多のネタを
惜しげもなく、これでもかと書き連ねてあります。
知識量だけでは決して書けない、
どこか頭がおかしくないと出てこない言霊です。
そして、それだけ(脚に)狂っているにもかかわらず、
バトルシーンはバトルとして、特訓シーンは特訓シーンとして、
ちゃんと盛り上がっているのがすごい。
盛り上がってるのに脚に絡めているのがさらにすごい。
ひとこと紹介にも書きましたが、つい、自分だけの剣脚ネタを
考えたくなる、パワーと勢いのある作品です。
(それとも「脚力のある作品」って言ったほうが、
作者さん喜ぶだろうか)
追記
本編とネタかぶりが発生したので、
「ボクのかんがえたさいきょうの剣脚」送るのやめます。
それはさておき、あれだけおかしな言葉を並べてても、
とりあえず話は進んでいるのがすごい。
もちろん言葉の狂いっぷりも加速してます。
本編と無関係なところで一つどうしても気になった点。
18話のセリフですが、コラーゲンもヒアルロン酸も、
経口摂取では、ほぼ効果はありません。
というか、いわゆるニセ化学の類です、あれ。
わかってて書いてるのかもしれませんし、
そもそも作中では別に美容効果を謳っているわけでも
ないのですが、(自分含め)うるさい人はいるものなので、
こっそり修正しといたほうがいいかもしれません。
軽快な文章、語彙の広さにまず圧倒!
テンポよく読み進められ、話の中盤から既に次の刺脚が来る、
ハイスピードな展開で見ていて楽しいです。
次は誰と戦うのか、ワクワクしながら見てしまう。
さらに、映像を頭に彷彿させる、言葉の表現力。
視点が映るカメラワークをとても意識した描き方をしていて、
それもまた、アニメのような映像美を見せてくれます。
さらに、映像美といえば!!
脚!!!!!
蠱惑的な脚!!!!!
この脚の魔力にとりつかれたかのような、斬新な描き方。
美女が、美少女が、脚のみで戦うって、
しかもパンストレギンス生足って、こりゃあエロいですね!!(最大の賛辞)
もっとやってください!
演出的に少し古めかしく言葉を描いていくことにより、
台詞回しや必殺技名が非常に映えています。
映像で言うなれば、必殺技名が大文字でドン!ドン!
と出るような勇ましさすら感じられます。
ぜひ、読んでみてください。
脚への見方が変わります。
文章力とか、キャラ個性とか、展開の盛り上がりとか、そういう細かいのを全部抜きにして、面白さだけを突きつけてくる作品です。
どこが魅力と問われたら、この作品の文章を全部コピー&ペーストして見せるしかありません。それだけ台詞の一つ一つが、文章の一文一文が面白さを構成する柱になっています。
誰にも真似できない、唯一無二であるというのはそれだけで賞賛され、評価される価値のあるものです。このまま他者の追随を許さずに、未だかつて誰も見たことのない世界を展開して欲しいです。
正直、この才能には嫉妬すら覚えます。
商業では実現困難なものを、平気で書き上げる。それこそがネット小説の醍醐味であると思います。
カクヨムってたまにズバ抜けた天才がいるんですが、この作者さんもその数少ない頭おかしいと思わざるを得ない天才の一人だと思います。
でも程よい所でキャラ紹介やこれまでのあらすじも載ってあり、読者に優しい部分もあるんだなとほっこりしました。