概要
その剣は、何を斬るのか。
超大国であるミネア帝国が統治する時代。カリアス王国の山間の寒村・クランヒルに暮らす少女、シェルティア・スノウズは税の取り立てなどに追われながらも両親や友人らと健気に小麦を作って生活をしていた。そんなある日の晩、人と動物の体が合わさった獰猛な獣・『ネメシス』がクランヒルに現れ、シェルティアと家族も襲われる。シェルティアは両親を守る為に村にいるネメシスを全て倒したが、シェルティアと両親以外の村人は全てネメシスに殺され、シェルティアは悲しみに沈む。そんな折、遠征途中の帝国軍が村に立ち寄り、シェルティアがネメシスを倒したことを聞くと、帝国軍の少佐はシェルティアにネメシス討伐専門機関『アイギス』に強引に勧誘し、シェルティアも承諾する。家族は村を守る為に残り、シェルティアは一人帝都へと旅立つ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!これぞ正統派ファンタジー
主人公の少女シェルティアの成長を軸に、敵であるネメシスとの熾烈な戦いの中で紡がれてゆく仲間との絆を描いたストーリー。
人間的に好感の持てる人物が多く、初っ端から主人公と衝突した元令嬢にして剣の名手メリッサとも、本音の友情を交わせる仲へと発展してゆく。それぞれに背負う思いがあり、共感できる心情や弱味がある。
人物はもちろん、物語の背景となる場面情景や社会情勢の描写も丁寧でしっかりとした読み応えがあります。展開のテンポもよく物語に没入しやすい。癖のない分かりやすい文体でスムーズに読み進めていくことができます。
人面獣体の異形ネメシスと対決する場面はホラー映画を思わせる緊張感とおどろおど…続きを読む - ★★ Very Good!!魔物に襲われた少女は天稟の才を開花させ、仲間と出会い共に戦う
貧しい農村に暮らしていたシェルティアだが、ある夜、村はネメシスと呼ばれる魔物たち二体に襲われた。シェルティアは包丁で応戦、二体とも倒してのけるが、村はシェルティアの一家以外全滅してしまっていた。
偶然通りがかった軍の部隊に声を掛けられ、シェルティアはネメシス対策組織であるアイギスに所属することに。同室になったアンネッタと仲良くなり、元貴族のメリッサには敵視されつつも、配属された討伐隊では副隊長のジュードに教えを受け、アイギスという新たな居場所に馴染んでいくが……。
長い物語の第一巻という印象。帝国が周辺国を支配下に置いているという設定や、ネメシスが次第に増えつつあるという情報、終盤で唐突に…続きを読む