彼が振るうのは、等身大の「正義」

舞台はまさに「少し先の現代」。
いつまでも前時代的な、弱肉強食の世界としての学校。
相互監視が進んだ、想像しうる未来。

そんな社会で、主人公・憂井道哉は、身近で起こった理不尽に対し抗いたいという、あいまいだけれど確かな気持ちを抱いている。どうすればわからないが、どうにかしたいと思っている。
彼の気持ちに、共感できる人は多いだろう。そして、彼が起こす行動にも。
だが、この生きづらい社会で生きて抗っているのは、道哉だけではない。そこがこの物語の、シビアで、リアルで、胸を刺す部分だ。

圧倒的な筆力とリアリズムで書かれた物語に、ぜひ触れてみて欲しい。

【第一話まで読了】

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