大変ご無沙汰しております。
前回の近況ノートからはや5ヶ月、ようやく新作に日の目を見せられるようになりました。
と言っても、できたのは第一話だけです。
本文の執筆に取り掛かってから7ヶ月。
7ヶ月もかかってようやく第一話!
苦節! まさに苦節!
こんなに時間がかかった理由は、とにかく書き進めるのが異様に難しかったからです。
ジャンルはSF、スタイルは三人称。
これがどちらも表現が難しい。
書いてて何度も何度も、「ナーロッパって偉大だったんだなあ……」って思いました。
冒険者とか魔法とかゴブリンとかギルドとか、単語自体や世界観の中での位置づけを大して説明しなくても書き手として不安感はない。Web小説の読者はナーロッパ的ファンタジーに対するリテラシーが高いから。
一方でSFは、巨大ロボやタイムリープものぐらいなら多分同様に説明不要でいけるかもしれない。私は巨大ロボ作品に詳しくないので書けないし読んでも楽しめないですが。
宇宙船を出したとしても、推進エンジンやワープ方法はどのような技術によるものか、共通認識ってあまりないイメージで、作品ごとに独自理論でそれらの技術を実現しないといけない、という気がするのですよ。
いや、どうかな。
ラノベ界隈なら、ワープするぞと言ったらそれだけでワープするかもね。ナントカエンジンに切り替えてホニャララ空間に突入してみたいなことは言わなくていいのかも。
そういうさじ加減がわからないので、そして私もちゃんと理論を組めないので、設定は語れないのに表現はしなければならないという……。
で、設定したらしたで、ナーロッパみたいに読者が何となく察してくれる気もしないので適宜説明していかざるを得ず、すると字数が増えていく。
おかげでかどうか、第一話だけで28,000字です。
全体で十話くらいの構成で15万字くらいにしたいな、と言っていたのに、第一話だけで28,000字!
いや、きっとどこか冗長なところがあるんですよ。
展開に必要な要素や、説明しないと伝わらないことだけを書いているはずなんですが……。
三人称だからと、多少会話で説明しようとしたのも影響しているのかなあ。
三人称については、以前の近況ノートでも触れましたが、妙に難しかったです。
キャラクターとの距離感がなんか遠い。
一人称なら、語り手の主観を通して状況を実況しているうちに、「このキャラはそんな風に感じるのか」と人格の解像度が上がっていくのですが、三人称ではそれができない。
三人称一元視点という手法もありますが、ずっと一人の視点に寄っているわけにもいかず、「この瞬間はこのキャラが感じていることを、次の場面ではこのキャラがどう感じたかを伝えたい」と思ってしまい。神視点ではないですね。多元視点というやつなんでしょうか。
あと、一人称だと自分の行動については主語をけっこう省略できるのですが、三人称だと誰の行動なのかちゃんと書かないと不安で、結果としていちいち主語が入って若干くどいし字数も(ry
他にも難しいところが色々あって、冒頭部分を何度も書き直しているうちに年が明け冬が終わり……本日ようやく区切りがついて公開の運びとなりました。
第一話だけでもこんなに時間がかかってしまったので、今後は、各話を一話ずつ書き上げて順次投稿という形にしようと思います。
完結までけっこう時間がかかりそうですが、必ず完結させます。
新作のタイトルは
『チェイサーズ 異空の錬金術師』
本日20時より連載開始です。
第一話は全8回、月水金20時公開予定です。
よろしくお願いいたします。