女性向け!異世界舞台の【非テンプレラブコメ】あつまれーーーーーーー!【本棚】
https://kakuyomu.jp/user_events/16818093086184239791という自主企画を見かけました。
募集文が面白い。
<引用ここから>
ねえ、女性向けの「ラブ」ものは、「転生・悪役令嬢・聖女・ざまあ・不憫・ドアマット・虐げられ・略奪・政略結婚・白い結婚・溺愛・不倫などなどなど……」ねえ、それないと駄目なのーーーーー!?
<引用ここまで>
うんうんその食傷気分わかるw
じゃあその要素を外すとどんな話になるのかな?
企画立てられてすぐは、ミステリーや学園ものがある様子。(時間経過とともにバリエーションは増えてます)
あ、学園ものになっちゃうんだ。十代女子が読み手や書き手?だとそうなるのかな?
現実っぽいから学園要素も外したらどうなんだろ。あと、結婚/婚約をコア要素にしない場合はお仕事ものになるのかな。
学園要素なしでいかにも「いわゆる異世界」を舞台にするとどんなお話になるのかな?
と、パッと思いつくものを考えてみたです。他の執筆予定があるので自分で書く気は今のところないけど、頭の体操的に。
=====
フラッシュアイデア
=====
まずはパッとヒロイン像を思い浮かべ、ありえそうな展開を素直に想像する。
(1)
……ヒロインはドジっ子魔女、とかかな? すごくわかりやすいところで。
魔女←舞台は異世界であることが明らか
ドジっ子←活発だけどそそっかしい
├活発←主人公がアクティブだと話が動きやすい、イベントを呼び込みやすい。
└そそっかしい←欠点があると読者の親近感が湧く。
ストーリーは、
・森で一人暮らしのドジっ子魔女のところに、レアアイテムを狙って忍び込むシーフ君とのドタバタコメディ
……ちょっとどんなイベントが起きるか想像しにくいね。後が続かない。魔女&シーフの組み合わせは悪くない。
・ドジっ子魔女は何かの目的で旅をしていて、レアアイテムが欲しくて絡んでくるシーフ君。
お、ちょっと良さげ。じゃあ、
・ヒロインはドジっ子が過ぎて師匠に呆れられ、試練か試験の旅に出させられる。アイテムを集めるとか各地を封印して回るとか。シーフ君はそのアイテムを狙って便乗しようとし、代わりに護衛役に。何だかんだでイベントをこなすうちに距離が縮まって……て感じ?
ツルツルっと出てくるけど、ちょっとどっかで見た展開だね! 女魔法使いとシーフなんて特に、DQっぽい世界観のギャグ漫画とかで!ww
(2)
冒険者がいる異世界の場合なら、「受付嬢」をヒロインにするのはどうだろう?
そういう作品はすでにあるけどね。恋愛が絡んだものには出会ってないけど絶対あると思う。
で、ヒロインが受付嬢だと、相手のキャラは自動的にいくつも思い浮かぶね。
・幼馴染の冒険者
・高ランクのエース冒険者
・ちょっといい加減な上司/ギルドマスター
・公的依頼を持ち込む宮廷のお役人
・武者修行で冒険者登録しに来た王子様
・アイテムの買い取り・仕入れをしてくれる商人
誰をヒーローにするかで、性格や役どころを調整すればいい。
幼馴染がヒーローなら、エース冒険者や王子様は当て馬。ヒロインは彼らに憧れてたけど実態は俺様で幻滅するとか。ヒロインはエースさんをただ推してるだけなのに幼馴染君が嫉妬するとか。
王子様がヒーローなら、誠実で優しい・俺様自信過剰が改心など味付け方向はいろいろ。
幼馴染君が最初から勇者だとか、実は転生者だとか……いや、そういう要素入るととたんにつまらなくならない?一発逆転ネタとして活かす?
ところで受付してるだけじゃ話にならないので、ヒロインが外に出るイベントを考えよう。
受付嬢は冒険者にクエスト情報を提供するのがお仕事。事前情報を調べ尽くし、その的確さが評価されて、遠方での長丁場のクエストに同行してくれと依頼される。そこで彼女なりの知識を活かして活躍し……
お仕事ものとしてもいけそうな感じ?
新しいかどうかはわからない。ただ、「受付嬢」としたことで自動的に「じゃあこんな人物が周りにいるだろ」「仕事の特性はこんなだろ」「その特性を活かすイベントは」など芋づる式に出てくるので、意外性はたぶんない。囲碁みたいに定石がある感じ。
人間関係や舞台、アクションの描写をしっかりやって、その筆力で読ませていくべきかもね。
(3)
ここまでで、(1)はりぼんやなかよしっぽい。(2)は花ゆめや今どきの異世界ヒロイン専門誌にありそう。マーガレットやフレンドみたいな雰囲気だとどんな話かな?
一般人ヒロインと吟遊詩人とか?ww のし上がりたい吟遊詩人とそれを支えるヒロイン。発想古くね?大丈夫??
そもそも吟遊詩人が無理ありそう。宮廷へ出入りしてのし上がるなら、うーん、騎士だな。
騎士団に入ってより優れた騎士になることを目指すヒーローと、それを応援する町娘ヒロイン。でも頭角を現すと王様や姫様に気に入られ、姫と結婚させられそうになる。無碍にもできず悩むヒーロー君。ヒロインは身を引き、一人で用事か採集で出かけたところを襲われてヒーロー君が助けに来てくれて……
短編向きだなあ。パッと思いつく大筋はめちゃくちゃ凡庸だし、フレンドっぽくもない。
ヒーロー君に姫様が言い寄ってるのでヒロインは当てつけに隣の店の男の子と仲良くして見せてこじれて……みたいな恋の鞘当て合戦をしても凡庸の域を出ない。異世界でやる必要ある?みたいな感じで、もっと別の要素を混ぜ込まないと面白くならないね。
=====
アイデアをもう少しだけ整える
=====
(3)は不採用。残ったものをストーリーとしても形になりそうな程度にもう少し練る。
(1)
師匠に弟子入りしてたり破門されずに試験を課されるのは、見どころがあるからでしょ。潜在能力はすごいのに使いこなせてないからドジとして現れるだけで。
各地を回る旅は長尺のストーリーにできるしバラエティ性のあるイベントを用意できるね。5つくらいがちょうどいいかな。途中で通りすがりの村で単発イベントを入れたりも。
集めるアイテムもしくは封印儀式にも意味があって、このクエストをやってるうちに何かの伏線が進行する感じだと終盤に向かう大きなイベントを作れそう。
例えばこのクエストを完遂すると完全に封印されてしまう魔神が邪魔してくるとか。
一年やるアニメだったら第3クールの途中あたりで5つのアイテム集め編は終わってラスボスが明らかになる展開。
その時点でそこそこいい仲になってるシーフ君に魔神が乗り移っちゃって敵対する羽目に。
うん、その展開もどっかで見た!!ww 前世からの恋人が操られてしまうやつ!
えーと、この先はヒロインはヒーロー君を取り戻すためにアイテムを完璧に使いこなせるように努力して、シーフ君も何とか土壇場で支配を脱して彼のアシストでヒロインが見事魔神を封印して大団円かな。
これで、
・潜在能力を使いこなせるようになる(表面上の目的)
・魔神を封印する(大きな目的)
・ヒロインとヒーローの恋愛が成就する(真の目的)
の3つの目的を達成するので、まあ収まりは悪くない。
「主人公が達成するお題は3つあると良い」って小池一夫の劇画村塾でも言ってた。
でもまあ王道だよね。すぐ思いつくこと=すでに見たことがあるものをツギハギしているだけだし。ここまでのところで意外性やオリジナリティは全くないね。
魔法関係の設定を工夫しても、オリジナリティは出ないと思う。みんな工夫してるから、工夫するのは当たり前。5つの小さなお題をクリアするまでのアプローチをひねって、「おいおい大丈夫か」とか「そんな手で解決するのアリかよ!」みたいな紆余曲折を作れば面白くなる。
その紆余曲折を生み出すためには、ちょっと癖のあるキャラを配置して足を引っ張らせるとかかな。旅する二人にくっついてくる当て馬担当とか。魔神がシーフ君に乗り移ったまま引き続きヒロインのそばにいて「俺に乗り換えろ」と迫ってくるとか。そうなると、魔神の方も何か妙な事情がありそう。ほうほう、そこを深堀りするとよりしっかり編み込まれた話になりそう。
これ以上は「パッと思いつく」の域を超えるので中断。
(2)
何となく、ヒーロー君は幼馴染がよさそう。
ヒロインはエース冒険者に憧れてて推しで、幼馴染君はまだ駆け出し。嫉妬から突っかかるけど、クエスト中にでも当人に諭されて、結果「エース先輩!」と推しに転向。先輩はきっと高潔なキャラだね。
ヒロインは冒険者として輝き始めた幼馴染が少しうらやましく、受付嬢の仕事に疑問を持つ。それで不正確な情報提供をしてしまい、エース先輩と幼馴染のパーティーが半壊してクエスト失敗。改めて自分の仕事の意義を理解し、挽回しようとしたヒロインはギルドの事前調査隊に志願。でも焦りから単独行動してしまい魔物に襲われたところをあわやで幼馴染君に救われる。幼馴染君を見直し恋心が芽生え、仕事は着実にやっていくことを肝に銘じる。
同年代の王子様が武者修行のために冒険者登録してきた。俺様で初手から気に入られるヒロイン。当初取り巻きの護衛とのパーティーを組んでいたが周りと軋轢を起こすのでエースや幼馴染のパーティーに入れられる。王子の後を追いかけて「私も役に立ってみせますわ!」と公爵令嬢が無理やり加入。当然公爵令嬢に睨まれるヒロイン。
ふむ、新規性とかはおいといて、流れは悪くはない。幼馴染君に救われたところで両思いになってエンドでもいいけど、せっかく考えたキャラを出したいので王子様を投入してラブコメ的に盛り上げてみよう。中だるみしそうな危険はあるけど。
公爵令嬢とはいい親友になって、王子様は彼女とくっついてもらって、大団円のためのでかいクエストを用意すればよし。→「遠方での長丁場のクエストに同行」を使う?
10万字目安で書ける話では。
ここまでのネタだけだと短い気がするので、クエストをしっかり書いたらいい字数になるんでは?(適当)
=====
以上、つらつら考えてみました。こんなことに休日の半日を使ってしまったなあ。
実際に作品に仕立てたいという気持ちがあんまりないからこそ、思考プロセスを公開してるわけですが。
少なくとも今は書かないです。他に書きたい作品があるので、再度目を向けるとしたら半年以上先。そのときこれがネタとしてありだと思えたら取り組むかもしれない、という程度。
ではー。