@mekki

銀のフォークが黒くなった。 何を言ってるかわからねえかもしれないが、つまりだ……俺は今、高い確率で毒を盛られている。 王国の第一王子である俺には人には言っていない秘密がある。 い…

今となっては昔の話―― この世に生を享けたとある英雄は、しかしその生の価値を見出されておらず、またこの世に降臨した悪玉も、まだその悪性で人々を苦しめてはいなかった。 そもそも、そ…

かの高名なる虫愛づる姫君は、今日も都の草むらで虫を熱心に観察していらっしゃる。「蜂飼いの大臣」の二つ名を持つ父君と、静やかな母君は、そんな虫姫を見守り慈しんできた。 だが、今ま…

ある日突然、「敵国の魔道師」であるとの疑いをかけられてしまった薬師（くすし）の少年クリノ。 政治や戦乱に翻弄されながらも、祖国の秘密、敵国の秘密、魔術と亡き父の秘密を一つずつを解…

竜が棲む大陸に暮らす少女・アイシャは、片腕を失った夜に、片目を失った竜・ジーヴと共に旅する契約を交わす。少女は生き別れた兄を探すため、竜は一族の生き残りを探すために。 噛み合わな…

■第一章（完結）■ 年若い見習い騎士に与えられたのは、領主の子を宿した娼婦の護衛だった。戦渦に巻き込まれる前に、果たして騎士クライフは娼婦とその仲間たちを守り切り、無事に領都まで…

　時は平安、日ノ本は荒れ魑魅魍魎が跋扈し乱が起こり崩壊しかけた。 煌びやかな京の外は魔境。 血風が舞い、悲哀と怨嗟が渦巻く闘いの連鎖ーー陰謀深く、妖は定命の者を嘲笑う。 後世にて…

雅やかな文化が花開く平安時代。 そんな中において、天皇に仕え、神々の使いと呼ばれた異端の者達がいた。 その名は『八咫烏』。 雅やかな姿の裏にあるのは、人か神か妖か？

主人公は、"天然天皇"こと朝陽天皇の娘、結月。そんな天皇の血を継いでいるせいか、すべての所作に無駄はないけれど、会話をしようとするとツッコミ要素満載で大変…笑 親譲りの彼女の言い…

今となっては昔のこと、人と化生――怪異の交わりがまだ緊密だった時代の話。 とある貧乏役人である青年の許へ、ある怪異の調査の依頼が舞い込んでくる。報酬につられて依頼を引き受けた青年…

一話完結の時代小説掌編集です。 あやかしや鬼など摩訶不思議な世界と、 歴史の新しい解釈に基づいた時代小説などです。 この作品集は、２０００文字～３０００文字くらいで、 だいた…

平安中期、顔にも才能にも恵まれ、出自もよろしくエリート街道まっしぐら、まさに白馬ならぬ牛車に乗った王子さまのような青年がいた……。 『源氏物語』の薫にも影響を与えたと見られ、百人…