季都英司

――魔女の窓に切り取られた景色は、別の世界につながっていた 雪に覆われた街の廃墟のような洋館で、少女は旅の魔女と名乗る人物に出会う 洋館には『魔女の窓』と呼ばれる不思議な窓があ…

――何も無い夜。こんなときは夜の音がとても心地よく耳に届く にぎやかな星を捨て、一人孤独な小さな星にすむ少年。 少年はこの星で夜の音を聞くことを愛していた。 そんなある日、少年…

――クリスマスの日、少年は少女の願いをかなえるために奇跡を起こす すべてが完全に機械制御され、天候までもが操作されている街。 そんな中で、セランは雪を降らせようとしていた。 か…

――世界をなくした私は《マボロシの海》を旅することにした 少女が気がつくと《マボロシの海》と呼ばれる不思議な空間を漂っていた。 この空間に漂っている理由はおろか、自分のこともな…

――昔話をしようか そんな言葉とともにあの人は話を始めた。 いつかの日、虹には色があったなんて、ありえないお話を これは、色のない虹が空にかかるそんな世界で 少年と、ある人が語…

　ソーヤはある日、空から落ちてきた不思議なしゃべるグラスのイーデをひろう。ソーヤはイーデを助けたお礼にと、幸せになれるドリンクを出す店『カフェ・マボロシ』にまねかれるのだった。 …

数十年に一度のすい星が地球に近づいた夏休み最初の日。 星が大好きな少年夜見星太（やみせいた）は、すい星を見ているときに眠ってしまい、見たこともない場所にいる、悲しげな表情の少女ス…

異世界からの漂流物、贈り物（マテリアル）が辿り着く街、幻都市。 そんな街にある私立幻都総合学園、通称『幻想学園』は、贈り物（マテリアル）を研究することのできる、この国唯一の学校だ…

生まれたばかりの星の子は、うまく昼と夜を切り替えることができません。 そんなときにお父さんからもらった『いちにちスイッチ』 これを使うと一日をうまく回せるようになるというのですが…

――僕は眼鏡越しにあの時を視た 世界を旅していた僕は、時の博物館という不思議な場所にたどり着く。 そこには無数の眼鏡が展示されており、その眼鏡越しに時を見ることができるという。…

――五色の不思議な花が願いを叶えてくれた あるところに五色の花びらを持つ不思議な花があった。 その花は花びら一枚ごとに、色に合った不思議な力で願いを叶えることが出来た。 伝説を…

――島が二つに割れてトリと会えなくなった 僕はある日小鳥を拾った。とってもかわいい鳥で僕はとりこになった。 でも突然僕の住む島が二つに割れてしまい…… 二つに別れてしまった島…

――ここは暗い夜の中。離さないで、そして話さないで 月の見えない静かな夜にある儀式をおこなうと夜の世界に行けるという。 少女は夜一人こっそりと家を出て儀式を行う。 そこで出会っ…

――空にもささくれってあるんだなって あるとき空を眺めていたら、ひび割れたような隙間と隙間から垂れている何かが見えた。それはまるで空のささくれのようだった。 少女はそのささくれ…

――箱の中にはたくさんの素敵な世界があったんだ 箱の中は別の世界への入り口だった。 僕にとってこの箱は、不思議で素敵な箱だった。 この中に入れば、いつだって自分の望む世界に行く…

――内見をするのは人ではない、我々住宅である！ はじめに言っておく。逆である。 君たち人間は、住む家を探す際に『内見』なる行為をしていると思うが、実際に見ているのは我々住宅の側な…

――砂時計の彼には三分以内にやらなければならないことがあった。もちろん砂を落とし、時を計ることである。 砂時計が持ち主の行動をきっかけにある難題に挑戦します。 その結末とは！？…

――私は星の世界を旅する旅人だ。 なぜ旅をしているのか？目的は簡単。観光である。 知らない街を訪れて、知らない文化に触れ、知らない人たちと交流を交わす。科学の進んだ世界でレトロな…

――だれも知らない月のお話をしよう。 月の世界は二つの領域に分かれ、月が明るく輝くところには《月光の君》という少女が、　月が暗闇に沈むところには《月闇の主》という少年がいた。 《…

――僕はこの世界が大好きだ。 だから世界をカレイドスコープの中に閉じ込めてみることにした。 世界が大好きなあまり、僕はこの世界のすべてをカレイドスコープの中にいれてみることにし…

――僕は雪の世界に住んでいる。 たぶんここは外からはスノードームって呼ばれている世界だ。 スノードームの中に住む少年は、自分がいる雪の世界に飽き飽きしていた。彼が眺めるのはたま…

――恋をしてしまった。 目が離せなかった。その相手は楽器弾き、得意げにバイオリンを奏でるその姿に一目惚れしてしまった。 ただし、その彼はからくり時計の人形だった……。 少女は街…

――私の街は巨大な鯨の上にある。 何言ってんだと思われるかもしれないが事実だからしょうがない。 鯨の上にできた街に住む少女が、鯨が死ぬことで街が滅びることを知る。 その事実を知…

ある日のこと、雨上がりの空に虹が架かっていた。特に感慨も無く眺めていたら、虹のちょうどアーチの天辺のところに、亀裂のようなものが見えて…… 虹のかけらを拾った人が出会った不思議…

――私はこの世界が大嫌いだ。 自分の世界が大嫌いで嫌気がさしていた私が思いついたのは別の世界を創ってしまおうということだった。 瓶詰めの世界を作った私が見たものとは……

――僕は空が飛べない 《翼の街》。低いもので百階から高いものでは数千階に達する高層建築が林のように隙間無く立ち並ぶ街。この街では機械の《翼》がないと生活すらできない、そんな街。 …

夜空で星座を見る親子。子供が親に問いかける「なんで、星座ってあんなに似てないの？」 父親はその問いかけに苦笑いをする。その理由とは……。

ある夜、少年が流れ星を眺めていたら、なんと自分の前に落ちてきた！ しかも流れ星が光って、おとぎ話のお姫様のような少女が投影されたかと思ったら、だれかとお話がしたいと言い出して………

長い長い冬の間、大地も森も山も、空さえも真っ白い雪が覆い尽くし、それ以外の色彩は何も得られないそんな街で少女はひとりきり。 少女は冬の長い間を、雪で作った人形を友達にして寂しさを…