中華ファンタジーを書く参考にと連載している『愛を込めて、白川紺子さんの『後宮の烏』を読み込む』。その№18『囲碁』で、「囲碁は石取りゲームではない」と書いた。
『愛を込めて、白川紺子さんの『後宮の烏』を読み込む』
https://kakuyomu.jp/works/16816700428095258195 では、囲碁とはどんなゲームなのか。
そして私だったら、小説内の戦いのシーンで、囲碁をどのような暗喩として書くのか。
白麗シリーズの中で、ずっと挑戦したいと思っていた。それを、今回の第61話「盤上の戦いのごとく」で、やっと叶えることが出来た。
囲碁とは、<打った石自体が取られる形になる場所に、石を置くことは出来ない>と<白と黒の石を交互に打つ>というたった2つのルールを守って、碁盤上の19路線×19路線=交点・361か所、どこに石を打ってもかまわないという、ものすごく制約のない単純なゲーム。
勝敗は、自分の石で囲んだ交点(陣地)の数で決まる。
361か所のどこに打ってもよいという単純さのゆえに、ゲームの進め方を理解するのに時間がかかる。しかし、理解してしまえばすごく面白くて奥の深いゲームだ。
序盤・中盤・終盤とゲームは進んでいき、最後はお互いの陣地の境界線をはっきりさせるヨセとなる。それぞれの展開において、使用する脳みその部分がちがうのが面白い。
序盤は、碁盤全体を見渡して自分が囲みたい場所の所々に自分の石を置いていく。もちろんその時、相手の陣地予定場所に妨害の石も置いていくし、相手からの妨害もある。
中盤のなかごろまでは、この序盤の作業を具体的な形に発展させたもの。ここらへんまでは大局観といって、全体を見渡す能力とこれから先に起きることを想像しなくてはならない。推理小説を読み解くような文系能力が必要だ。
白黒の石が乱れ打たれて、お互いの陣地がある程度の形を持ってくる中盤から終盤にかけては、図形を把握する能力が必要。そして、終盤からヨセは、どの陣地を手離してどの陣地を守るかの計算の能力。
ところで私は根っからの文系なので、序盤から中盤の中頃までは、有段者も褒めてくれるような手を打つことができた。しかし、中盤の中頃から崩れ出し、ヨセの計算になるといつも相手をしてくれるお爺ちゃんたちに叱られていた。
……ということで、第61話「盤上の戦いのごとく」では英卓と康記の戦いを囲碁に見立てて書いてみた。
そうしたら、念願が叶ったうえに、なんとなんと、たった1話の2千文字で、英卓と康記の最終決戦の手前までとんとん拍子で話が進んだ! ヽ(^o^)丿
③ 天界より落ちた少女の髪は真白く、恩寵の衣を纏って、中華大陸をさまよう(再び慶央篇) 大人の女性が楽しんで読める<♥>なエンタメ小説です
https://kakuyomu.jp/works/16816927859326305676 写真は夏にちなんで、ハワイアンパッチワークキルトのバッグ。