上田　直巳

森宮悠馬は名門大学に通いながらも、やる気を見失って退屈な日々を過ごしていた。ある日、大学をサボって電車に乗り、目的もなく遠出した。流れ着いた先の公園で、黄金色のイチョウ舞散る下、…

この春、オレは社会人になりました。 新社会人としての抱負？それはもちろん、憧れの先輩とネンゴロになること！ クールで美しいオレの天使な先輩との職場恋愛（オフィス・ラブ）を目指して…

クロは現代日本のとある町で、理系研究者の「姉ちゃん」と共に平和に暮らしていた――その日までは。 ある朝、目を覚ますとクロは見知らぬ場所にいて、全くの別人になっていた。どうやら異…

私と竹内くんは、大学の美術部で一緒だった。フェルメールの好きな私と、ソロヤの好きな彼。 作風の大きく異なる彼の絵に、最初のうちは反発していたが、荒々しく力強い筆遣いに次第に魅せら…

アジア奥地に自生する「イプロス」。その果実はかつて、健康へのすごい効果がうたわれ、世界中でブームを巻き起こした。人々に健康と幸せをもたらすはずの「奇跡のフルーツ」に秘められた真実…

シュン君は受験生です。朝ごはんを食べて家を出ると、池を反時計回りに回って1.2㎞先の駅に向かい、電車で8駅離れた大学へ行き、模試を受けました。帰りは一つ前の駅で降り、友達と寄り道…

王子様のキスで、目覚めた姫は……男の子だった！ 白雪姫？　いいえ、こっちは「鷺 サギ」です。 白鷺姫（少年）と小人（おっさん）と王子（？）が織りなす、 パロディ～コメディ～フェア…

雪のよく降る日に、なぜおじいさんの笠は大して売れなかったのか。 お地蔵様は、どうやっておじいさんの家を知り得たか。 待て、その餅や米は、どこから持ってきた。 ていうか、動けるなら…

月は朧に、花は霞み。ただ酒盃だけが濁りをしらぬ。 盃に落ちる花びらと、湖に浮かべたこの舟と。 ゆらり、ゆらり、夢幻にあそぶ。 さあ、宴をはじめようか――

僕にはかつて、ウクライナ人の友人がいた。彼女は快活で、社交的で、外交官を目指して勉強していた。 太陽のような人だった。向日葵のような人だった。 この祈りが風に乗って、青空の…

散々な合コンの帰り道、大酒を飲んで酔っていた私は、我慢できなくて駅のトイレに行くことにした。暗くて、汚くて、人の寄り付かないトイレ。それなのに、奥からしくしくと泣き声がする。そし…

路地裏にひっそりと佇む小さな喫茶店【雨夜の止まり木】。 それは道に迷ってしまった大人の女性のための隠れ家。 仮面の店主が心を込めておもてなしいたします。 淡いランプの光と紅茶の香…

英国コッツウォルズの小さな村に、魔女が住むという噂があった。 その正体は、日本人女性の“ミカゲ”。 相棒の灰色ウサギ・ピーターと、村人たちに囲まれて、のんびり気ままに暮らしている…

青年は会社帰りに、知らない駅に辿り着いた。 近くでは夏祭りが行われているようだ。 覗いてみると、そこはキラキラした世界。 大人に憧れ、夢を抱いていた頃の少年の記憶が蘇る。 ある夏…

ありふれた冒険物語の、ちょっとレアな後日譚。 少年はボロボロの剣を手に故郷の村を出た。世界を旅し、勇者と呼ばれるまでになった彼は、やがて凶悪なドラゴンを倒し、美しいお姫様と結婚…

本作は以下の作品のスピンオフとなっております。 まだの方は何のこと？となると思いますので、まずはこちらの詞書をご確認くださいませ。 →『グリフォンの爪の先（ありふれたレアな冒険…

ぼくと一緒にあそぼうよ。 あそんでくれなきゃ……

アタシは今日も夢を見る。