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ありふれた悲劇


 フィクションの中では、凡人がなまじ力を持っていた(または恵まれていた)がゆえに引き起こされる悲劇にそそられる。

 格上への劣等感、逆に格下に見せつける優越感、力に魅せられ、取り込まれてゆく描写。自分が無力であったことを悟る描写。
 加害者であれ、被害者であれ、暴走であれ、葛藤であれ、それらすべてに「ざまあ」と「あるある」と「おいやめろ」がブレンドされるのだ。

 ざまあ、あるある、おいやめろ。
 すべて話しの途中で、口から思わずこぼれる言葉だ。理性的にこれらの台詞を発するのは難しい。
 惹かれるのはその点なのではないかと考える。少し考えれば愚かだと思う行為に、どうして至ってしまうのか。

 未熟とは何なのか、ということを再考させられる。

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