精神的に参っているときに書いた作品というのは、独特な風味を持っているようだ。
どうしようもなく不毛で、退廃的で、要領が悪いのだけれども、半分投げやりなその文章には打算や目論見といった観点からは外れているようで、そこが物珍しいのかもしれない。自分でもよく分かっていないのだけれども。
身を削って生み出している気もする。いや、身を削るなんて表現は妙か。別に小説を作ることに身を削った覚えはないのだから。別のことに身を削り取られている男の呻き声という感覚が近い。
創作活動は不幸や苦痛すらも愛しく、求める対象にするのだろう。もっと苦しめば、もっと身に迫った作品が書けるのだから。その結果、二度と帰ってこれない場所に行くのかもしれないが。
実りとして得たこととしては、タイトルにもある通り、委ねることが大切なのかもしれないということだ。
すべてを自分で管理するのではなく、一部を他人に委ねること。なんて適当なんだ、なんて雑なんだ、そんな感情を少し置いておく。そうすると、比較的流暢に文章が出てくるようになった。
なんだか突拍子もない近況になってしまった。