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こういう時がある


 何の気なしに買った本で、とてもしっくりくる一文があったので、この場で載せてみる。
 こういう文章に巡りあう時があるから、読書をしているのかもしれない。


 作家にとっては、解脱と救済にむかう歩みは比類のない災厄である。作家は他のどんな人間にも増して、自らの弱点を必要とする。弱点を制圧してしまえば、作家は破滅だ。だから作家は、めったに向上などしないよう気をつけねばならない。そんな羽目にでもなったら、苦い後悔に身を苛まれるにちがいないのだ。

     シオラン著「生誕の災厄」より

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