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ストックホルム症候群


 あなたは「ストックホルム症候群」をご存じだろうか?
 それは創作をする者が対象となる病である。
 何かを作る際に出来たアイデア。
 いつかの為にストックに移しておくも、いざ使おうとすると、なんとそのアイデアに愛着でもわいたのか、「まあ今回は、この話で十分」と後の機会に置いておくのである。
……そしてそのアイデアが用いられることはなかった。

 いわば、「飾りのいい空き箱だから一応とっておこー」←使わない
 に近いものであり、そんな押し入れの奥のがらくたのようになっているアイデアが山程ある。
 こいつらは人質みたいなものであり、基本的に利用するだけの関係のはずなのだが、一緒にいると、もっと磨いてやろうかなんて思ったりするから怖いものである。

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