• ホラー
  • エッセイ・ノンフィクション

実験小説という名の半端なアート


 実験小説とは「前衛的な手法を用い、文学の可能性を実験的に追求しようとする小説の総称」のことを指す。
 代表的なものは、筒井 康隆著の「残像に口紅を」だろうか。五十音が消え、その音を持つものも消えてしまう。「あ」が消えれば、「あなた」も「愛」も消える。
 それでも、残された音を用いて物語は紡がれる――その発想と語彙力、表現力の高さに感服する他ない。

 それを真似て実験小説を作ろうと思い立つわけだが、残念なことに自分の頭に浮かんでいる小説の姿とは、単なる「実験」「試み」でしかない。分かりやすく言えば「一発ネタ」の域を出ていないのだ。

――実験小説は難しい。まっとうな小説(物語)を書くことすら厳しいのに、更にそこに「芸術」を組み合わせなければならない。
 芸術にはセンスがつきものだし、独りよがりになる危険性を孕んでいる。

 だからタグに「実験小説」と付いていても、それは本来の意味での実験小説と期待してはいけない。
 この予防線を張りたいがために、上記の文章は存在している。

1件のコメント


  •  コメントありがとうございます。
     ネタを思い付いた直後と言うのは、テンションもあってか、勢いで出したくなるんですかね。
     大体、出してみてから「ああー……」と一人で落ち込んでいたりもします(苦笑)
     有名大学の推薦本として名高い外山 滋比古 著の「思考の整理学 」によると、生まれたアイデアはまず時間を置いて熟成させる必要があり、その中でくだらないものは淘汰されるようです。

    >>ともかく、ホンモノの実験小説は他の紛い物とは明らかに一線を画しており、その筆力にただただ脱帽するばかりです。

     仰る通りです。こればっかりは本当に才能というか、変態的なセンスがないと生まれないですね。
     
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する