安崎依代

いつも通りの日常だと思っていた。 いつも通りの光景だと思っていた。 その少女によって、その大鎌によって、突如殺されてしまうまでは。 どこにでもいる平凡な高校生・疾太(はやた)…

※2023/3/10カドカワBOOKS様より書籍版が発売しました！　書籍版もよろしくお願い致します!! エゼリア帝国には、『存在しない』部隊がある。 第三十一番イライザ特殊部隊…

※コミックライドアイビー様にてコミカライズ配信開始になりました！　漫画になった師弟もよろしくお願いいたします！ 《コミカライズ「比翼」作品ページ》 https://www.ivy…

『この世の楽園』と称される観光産業国アノマイヤ。その首都、ヒュディアは『歓楽の都』の異名を取る魅惑の街。 劇場、カジノ、酒家街、色街。 ありとあらゆる歓楽が揃うこの街は、綺麗…

藩烏国の南北に走る街道が一点に集まる街、姻寧。 古くより近隣国屈指の要所として栄える姻寧の街は現在、とある『商会』によって仕切られている。 霜天商会の裏方……黒社会における『…

「守るよ、何からも。大切な大切な、君のこと」 名家の令息令嬢が通う普通科と、普通科の生徒に付き従うガード達が通うクラス……通称・Ｇクラスが併設された私立春篠学園。 ボディー…

邪術を極めた琳王宮史上最悪の悪女『紅の邪仙女』蘇麗麗《そ・れいれい》は、かつての同輩にして琳国第七皇子『救国の仙君』李翠熙《り・すいき》に誅伐される。 しかし麗麗の目的は、己が…

呪術師。それは災厄を退け、人知れず民の安永を守る者。 現代の呪術師界を仕切る四大大家『四季咲《しきざき》』が一角、不香《ふきょう》家。「万物を不活性化する」という呪術特性を持つ…

「なぁ、ナガレ！　一生のお願いっ!!」 「俺の婚約者になってほしいっ!!」 俺の幼馴染で国有数の御曹司である神宮寺遥斗は、何やら無理やり結婚させられそうになっているらしい。 …

　柳華国の後宮には、変わり者の主従がいる。 「名乗るほどの者じゃないわよ。私は通りすがりの正義の味か……」 「ここにおわしますは柳華国先帝陛下が第二十五公主にして今上帝陛下…

「カクヨム短歌賞1首部門」応募作品です。 頭痛持ちなので、頭痛薬やら鎮痛剤やらを常に持ち歩いている人間なのですが。 先日、実家でマイ頭痛薬を服用したところ、同じく頭痛持ちであ…

『双龍』 それは御公儀様がおわします青雲にて、屈指の勢力を誇る極道集団。 十八歳という若い女の身の上でありながら、沙羅は『双龍』が重鎮、八大龍王の一角に座す新参者の幹部であ…

「カクヨム短歌賞・10首連作部門」参加作品です。 短歌を詠んだことがない人間による、無謀な連作チャレンジ作品。

「レティシア・バートネット！　貴様との婚約は、今この宣言を以て破棄させてもらおうっ!!」 婚約者である王太子・アルバートからの婚約破棄をレティシアはただ淡々と受け入れた。 …

俺は大学生作家・堤時雨。 幼馴染で同級生の深見秋広と新作の取材に行き、ダンス同好会メンバーの楽しげな練習現場を目撃した。 取材をするのに夢中になっていた俺は、背後から飛んでき…

あの夢を見たのは、これで9回目だった。 玻麗宮廷書庫室書庫長、螢架呈舜は、人生の節目に必ずとある『夢』を見る。 ※商業出版された『宮廷書庫長の御意見帳(著：硯朱華／富士見…

『妖精』とは、神話や伝説の中に出てくる、超自然的な存在だ。洋風の世界で多く取り扱われていて、大抵可愛らしい姿で描かれている。 決して我が家に存在している、全長183cm、体重7…

「嫌いなのよね。『憧れ』って言葉」 一次創作文芸誌即売会の会場。 神とも崇める憧れの作家様の第一声は、私が捧げた言葉を切り捨てるものだった。

「お雛様」は、女の子の厄を祓い、健やかな成長を願うための形代(カタシロ)。 「ひなまつり」に思いを馳せるのは、何もヒトだけではない。

僕は自宅で、実に可愛い生命体と暮らしている。 ちまっとした体でいつでも元気にチマチマと動き回る、僕の自慢の嫁である。 でもこの嫁には、ちょっと人には言えない奇癖がありまして…

悪い女と悪い男、彼らにとってはこれが日常 ※中編版はこちら↓ 【白華と龍〜その華は龍を喰らいて炎を吐く〜】 https://kakuyomu.jp/works/16818093…

敗国の皇子にして将でもあった私は、母国の滅亡を防ぐため、勝国の主にして近隣諸国に『覇王』として恐れられる男へ『嫁』として差し出された。 いかなる辱めにあおうとも、私の心は折れ…

この国は古より『四季咲』と呼ばれる四つの呪術大家によって守られてきた。 その一角、封印師の一族・不香家は、とある強大な禍神を封じている。 当主に一子相伝で伝わる封術をしてで…

生まれついての白髪赤眼により、忌み子として座敷牢に幽閉されて育ったわたくしは、ある日、『不言様』と呼ばれる神への贄として差し出された。 強大な力を持つ代わりに、言葉と心を持た…

俺は、死にかけていた。 世界を埋め尽くす、一面の雪原のど真ん中で。血で赤く染め上げられた体を、まるで覆い隠すかのように降りしきる雪に、無力に覆い隠されながら。 そんな『白』…

就活の場で、私は少々、かなり、……いや、メチャクチャ奇抜な面接官に遭遇した。 『人事部・鳥井』という札が置かれた席に座っていたその人は、スーツに身を包み、ダンディな声で喋る………

『紅の魔術師』、アディルレイド・サラ・ローゼン。 『悪魔的』とさえ称され、今やその名は『世界最強の魔女』と同義として扱われている御仁。 その唯一の弟子であるヒノエは、なぜか…

僕が引き出された先は『嵐の女神《ヴィントホーゼ》』のふたつ名を持つ、司令官の前だった。 猛将と名高い彼女は、あまねく空の色を宿した、酷く美しい少女だった。 これは後に『リッ…

この学校の旧校舎音楽室には、放課後、密やかな歌声が聞こえてくるらしい。 その歌が、メチャクチャ上手いくせに、声がまぁー酷いもんなのだという。 「ふっ、ふーん？　べっ、べっつに…

双子の兄の七回忌。真夏の、蒸し暑くて薄暗い座敷。 僕は恋い焦がれた義姉に、初めて手を伸ばす。 「もう、僕で手を打ちませんか」 義姉と僕の記憶を漂う、とある残り香の話。

玻麗国(はれいこく)、王宮外朝。 『学寮』と呼ばれる未来の官吏を養成する国家教育機関には、ある特殊な学び舎が置かれていた。 その名は祓魔寮。己の霊力を以って魔を祓う呪術師と、…

『私』は本が大好きな女子高校生。 最近の日課は、下校途中に通学路沿いの古本屋に立ち寄ること。 目的はもちろん本だけど、そこには『私』の推しもいて…… 「ユノちゃん、知ってた…

玻麗国(はれいこく)、青藍帝(せいらんてい)が御代も終わり。 筆頭書記官として書記部を率いる白旺供(はく・おうきょう)は一人、皇帝との謁見に臨んでいた。 老境にある皇帝は旺供…

玻麗国、宮廷書庫室。 古今東西奇書凡書問わず、あらゆる書物が集まる『叡智の宝庫』には、ある頃からまことしやかに囁かれている噂があった。 曰く、宮廷書庫室には、仙女が住むと。 …

玻麗国宮廷書庫室。 宮城内で生み出された書類から資料、市井で流通する貴書珍本までもが集まる書庫室では、『書』に狂った趣味人書庫長・呈舜(ていしゅん)と彼の唯一の部下にしてお目付け…

俺の名前はデス・ザ・スターキッド。 『名前を笑ったヤツは皆殺し』をモットーとする暗殺者。ふざけた名前(まともな本名がちゃんとあるんだ！)だが依頼完遂率は100％　ちなみに通り名…

永く内乱が続いていた斎国が、ついに平定された。 長年誰もがなし得なかった内乱に終止符を打ったのは、先々帝の血を継ぎながらも田舎町に捨て置かれ、誰もに存在を忘れられていた皇子、汪…

『結婚』という名目で実家を放逐された無自覚チート侯爵令嬢の嫁ぎ先は、とんでもない人物が暮らす、とんでもないお屋敷でした。 「メリッサ、お前には、結婚して当家を出ていってもらい…

「死別ブロマンスを書いてほしいリターンズ」参加作品です。 とある飛行機乗りの、思い出と独白。

学院《アカデミア》 それは西域きっての魔術結社にして学び舎。 東西間の長期に渡る戦争に魔術も投入されて久しい世界において、学院は西域側の切り札的存在と目されている。 とはい…

『魔法』は実在すると科学的に解明されて一世紀。 かつて『魔法』と呼ばれていた力は『錬力』、『魔法使い』と呼ばれていた存在は『錬力使い』と名前を変え、人々の生活の中に溶け込んでい…

主と下僕、上官と副官、飼い主と獣。 そんなお話。

「比翼は連理を望まない」より、大人同期組が現役時代だった頃の番外編です。本編軸から10年前軸になります。 夕立に遭遇し、慈雲宅に逃げ込んだ四人のお話。 【本編はこちら】 ht…

私は目の前の光景に困惑していた。 というのも、採用面接の場にいる面接官の一人の様子が明らかに尋常でない。 というよりも、トリの被り物をしたヒトが面接官をしていて尋常であったら…

「玉仙宮の金と黒」と「応えの代わりに梔子を」の間にあったかもしれないお話

心がささくれたあなたに贈る、とっておきのねぎらい甘味

その箱を、開けてはならない

技名に使えるようになんかいい感じの単語をぎっしりメモした厨二病ネタ帳を持っていたことよりも！ 決め台詞をストックした恥ずかしいメモを大量に持ち歩いていたことよりも!! この事…

老朽化にともない、住んでいたおんぼろアパートを追い出されることになってしまった私。 家賃は安ければ安いほうがいい、保証人は立てられない。そんな貧乏大学生の私に紹介された物件は、…

ある日、私は唐突に思い立った。 「全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れに轢かれて死ぬことにしよう」 そんな私が行き着いた先に、今がある。