概要
この雪が、ずっと溶けなければいい
この国は古より『四季咲』と呼ばれる四つの呪術大家によって守られてきた。
その一角、封印師の一族・不香家は、とある強大な禍神を封じている。
当主に一子相伝で伝わる封術をしてでも完璧に封印することができない禍神を次の一年もまた封じ続けるために、不香家では一年に一度、当主の血筋から腕のある封印師を選び、禍神が封じられている異界へ送り込む。
腕がありながらも、死んでも問題のない人間を……むしろ跡目争いの問題から、積極的に死んでくれた方が良い人間を選んで。
不香梓は、十歳の時からこの儀式の術者に選ばれ続けてきた。今年で連続五年目の選抜である。
梓自身とて、自分は死んだ方が良いということを自覚している。
全ては兄に無事に跡目を継がせるため。兄よりも完璧な『不香』である自分は、いつかどこかで
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