ペンは剣より強し、などというが、実力行使の前にはペンは余りにも無力だ。
イージス艦の名前の由来は、ギリシャ神話の女神アイギスの盾から来ている。
何者をも防ぐ盾の意味だが、本当のアイギスの盾とは、核兵器の保有のことだ。
ウクライナにはチェルノブイリ原発があったり、カザフスタンにはバイコヌール宇宙基地があったりと、ソビエトの遺産、ロシアの衛星国家にはロシアにとって地政学上欠かせない要素を持つ国が多い。
ウクライナにはソビエトの核兵器が大量に配備されていて、それは西側諸国の説得もあり廃棄するに至った。
結果どうか?
二〇一四年には黒海に面する重要な港湾部クリミアを奪われて、ウクライナ海軍の艦船共々ロシアに渡った。
そしてこのたび二〇二二年の全面侵略。
愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶというが、このたびの事態こそ歴史の一幕だ。
いつまでも敗戦の現実にうじうじしてはいられない、そんなものもう八〇年近く前の失敗で、挽回できる機会は何度もあった。
もちろん、私を含め一人一人の市民が武器を取ればいいわけではない。
ただ、国防を託すに足る政党はどこか、普段の生活の延長線上に戦争はあり、その回避もある。