国境線を武力で拡げる愚

 ペンは剣より強し、などというが、実力行使の前にはペンは余りにも無力だ。

 イージス艦の名前の由来は、ギリシャ神話の女神アイギスの盾から来ている。

 何者をも防ぐ盾の意味だが、本当のアイギスの盾とは、核兵器の保有のことだ。

 ウクライナにはチェルノブイリ原発があったり、カザフスタンにはバイコヌール宇宙基地があったりと、ソビエトの遺産、ロシアの衛星国家にはロシアにとって地政学上欠かせない要素を持つ国が多い。

 ウクライナにはソビエトの核兵器が大量に配備されていて、それは西側諸国の説得もあり廃棄するに至った。

 結果どうか?

 二〇一四年には黒海に面する重要な港湾部クリミアを奪われて、ウクライナ海軍の艦船共々ロシアに渡った。

 そしてこのたび二〇二二年の全面侵略。

 愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶというが、このたびの事態こそ歴史の一幕だ。

 いつまでも敗戦の現実にうじうじしてはいられない、そんなものもう八〇年近く前の失敗で、挽回できる機会は何度もあった。

 もちろん、私を含め一人一人の市民が武器を取ればいいわけではない。

 ただ、国防を託すに足る政党はどこか、普段の生活の延長線上に戦争はあり、その回避もある。

2件のコメント

  • 何年か前、「核保有の是非を問う議論」すら許さなかった国ですからね……。
    NO以外の発言を許さないこの日本、実際どうしたものでしょう。
  •  卯月様、コメントありがとうございます。

     私の父はもと共産党員なのですが、9条改憲を唱える中学生の私に「そんなこといって、徴兵されたいのか」と、家庭内でも改憲なんて口に出来ない時代がありました。

     そもそも、徴兵制こそ公平な軍務への参加方法ですのにね。

     兵士として戦場に出たいという意味ではありません。

     ただ、金持ちの貴族だけが騎馬を整え甲冑を着込み戦場に参ずることの出来た騎士の時代と異なり、武装は国家が整え、参加は徴兵により公平に行う、というやり方の方が公平だというだけです。

     そして参政権とは、国を守る気概の持ち主に与えられるのが本筋です。

     さておき、それこそ私が初めて「ホームペイジ」を立ち上げた二昔前は、核武装論なんか取り上げれば、真っ先に「公の場で非常識な発言はやめなさいね」と頭から否定されたものです。

     そもそも、個人の「ほーむぺいじ」を「公の場」といってしまうナンセンスすら当時は当たり前でしたけれども。



     そしていま、卯月さんのように「積極的賛成であるかどうかはさておき、議論の必要性はあるのではないか」というスタンスの方が真っ先にコメントをくださる現状は、あの頃と違ってweb空間の思考に対する姿勢が、確実に改善されていることを感じさせます。



     私はかつて東条英機元総理大臣閣下の命日である十二月二十三日に東条家の墓前で東條 由布子様にお目にかかったことがあります。

     東条英機元首相閣下は、ご一族に「100年発言を忍ぶように」と言い残したと言われます。

     それでも、東條 由布子様は100年を待たずして、代議士に立候補されました。

     残念ながら当選こそされなかったものの、立候補できること自体、世情の成長を感じさせる出来事でした。

     かつて山本七平は毎日新聞と朝日新聞が始めた嘘、南京大虐殺という宣伝工作の1エピソードを担う100人斬り競争がいかにあり得ないことかを主張しました。
     そして七平は、百人斬り競争の当事者として、中国での軍法裁判で死刑に処せられた方々に向けて自らの著作をこう締めくくりました。

     「誰もわかってくれない、見方も居ない、そんな絶望のどん底でもあきらめてはいけない、なぜなら、空間的にも時間的にも遠く離れた誰かがあなたの言葉を拾って無実という真実を明らかにしてくれることがありうるからである。
     現に、ここにある」

    と。

     私もまた、日本が良き独立国として独自の文明を保ったまま継続してゆくことを願ってやまない一人です。

     後三年で戦後八〇年です。

     信じましょう、私たちの誇り高き未来を。
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