「芸人 掌編」を含む小説

高校時代、僕は同級生と『トルエンMAX』という漫才コンビを組んでいた。文化祭のステージで披露したネタは大ウケで僕等は「プロでも通用するんじゃないか」と本気で語り合った。けれど、卒…

日の目を見ない芸人である自分を、見守り続けてくれていた母。 こんな自分とコンビを組んでくれた、相方である弥生（やよい）。 コンビ結成一年目からエントリーをしてきた漫才コンテスト…

賞レースで好成績を残しているわけでも、大ブレイクを果たしてテレビ番組に引っ張りだこなわけでもない。「ロケ」の腕前を評価されて、中継やＶＴＲ出演という形で芸能界を生き抜いている。そ…

ある日のバラエティー番組の収録。〈国民的女優〉陸奥矢雪乃の「付き合いたい芸人ランキング」が発表された。結果は、バラエティーのお決まりの展開となった。しかし発表の後、雪乃の顔は曇っ…

「日本の女優は整形だらけだ。あんな女たちとＳＥＸするのは、マネキンとＳＥＸするのと何も変わらない」芸人のナーノつよしは常々こんな言葉をテレビで発信していたのだが、そんな、ナーノの…

お笑いの夢破れた男、笑いを拗らせた男の掌編物語。

売れない漫才コンビ”パブロフ”の柏田は顔だけはよかったため、事務所は彼を俳優として売り出そうとするが、相方の東海林が意義を唱える。 「お前はどない考えとんねん」 東海林のその…