「幸福と不幸」を含む小説

言葉の壁を隔てたままで、ふたりは北への旅路を往く── 満たされているがどこか退屈な日々を送るデザイナーの『私』は ある日駅の構内に佇む外国人の少女を見かける。 サイズの合わない…

神が消えた世界――。 人々は“能力”という力を手に入れ、強者が法を支配する時代へと変わった。 だが、最悪の“幸運”を持つ少年・幸村陽は、神に見放された“不幸の能力者”だった。 …

少女の目の前に横たわる「それ」は、何なのだろうか。 衰え、言葉すら発しない存在を前に、少女と“先生”の対話が始まる。 「人間とは何か」 「幸福とは何か」 答えのない問いをめぐ…

（冒頭） 人間が「不幸」を感じる瞬間は、意外と単純だ。 それは「欲しいものが目の前にあるのに手に入らない」ときである。 このとき、人は自分の現実と理想を比べてしまう。比較が発生し…

たった一つの幸運を支える為に、沢山の不運が無ければならぬ。宝くじもそうだ。たった一つの当たりの為に沢山の外れがなくてはならない。世の中は幸運よりも不運の方が圧倒的に多い。幸運を追…

雨風をしのげて、家族がいて、争いもない。 “幸福な国”と呼ばれたその地に、ある日旅人が現れた。 手にしていたのは、外の世界を映す小さな“板”。 それは、人々の価値観を少しずつ変え…

　意外な結末がありクスッと笑える、少し不思議なショートショート。そのショートショートと巡り合う鉢嶺愛の物語。 　それは、ARが発達した近未来の日常で、VRによる別世界の旅の中で繰…

女は頭が弱かった。 三十年生きてきて社会常識を知らず、「やりたい」「やりたくない」でしかものを考えられず、生家に居座っては穀を潰し続け、働きに出ても大半が「やりたくない」ですぐ…

　異世界へと渡れる橋。 　それは幸福と不幸を予感する。　 　荒廃した世界。 　正気を失った住民。 　強大な力を持つ異能者。 　異能宿す宝石。 「欲する物あらば、要らぬ物は捨…

城山いちごは小学一年生、しかし、今日も学校でいじめられて帰って来て…… ぬいぐるみに宿った悪魔が、孤独で優しい少女にもたらすのは幸福か不幸か？ 前・後編、少女漫画風小説です。

世界は三つに分けられていた。不幸人が住む不幸区、幸福人の住む幸福区、そして普通の人々が住む中央区。 中央区で暮らしていた綿谷幸の人生は、十五歳で一変する。不幸人として社会から迫害…

誰が最初に口にしたのか。 それは全ての人々の願いが叶う場所――“天空庭園（ヘブンリーブルー）”。 多くの冒険者が夢に見て、長き人生を掛けて探し求めし伝説の地。 しかし、そこへ至…

　今日もまた昨日と同じ螺旋が襲いかかる。切り開き、進めば付き纏う。逃げるなら食らいつく。 　私達がこの龍のような螺旋の中で生きる限り、終わりは無い。 　今のままの未来を想像すれば…

わたし ぼく の体質、それは……

不幸にも意図しない出来事により職を失った男、その男のその後の旅の物語。 分かりにくい紹介文で申し訳御座いません、読んでいただければ分かって頂けると思います。 思い付きで始めた…

俺はソフトウェア開発会社の社員だった。 外注費を架空計上して横領した罪に問われ会社を追われた。 不幸は続く。 仲の良かった伯父さんが亡くなった。 遺産が転がり込むかと思われたら、…

どれほど不幸な目に遭遇したとしても、幸福が待っているのならば受け入れる。

人の幸福は一瞬で燃え尽き、不幸は度々燃料を得て燃え続ける。 だけど本当は半分半分。 ありきたりたりだが、開けない夜はなく、止まない雨はない。冬もいつか終わり、春が来る。 考…