リフォーム分譲ダンジョン~庭にダンジョンができたので、スキルを使い改装して、分譲販売することにしました。あらぬ罪を着せて会社を首にした奴らにざまぁしてやる。不幸続きだった俺がスキルの力で幸福に~
喰寝丸太
第1章 ダンジョンはじめて編
第1話 横領の罪を着せられる
俺は
ソフトウェア開発会社の社員。
もうエンジニアとしての俺は賞味期限が切れたかな。
体力もだし、新しい技術に追いついていない気がする。
経験という武器はあるけども。
「先輩、社長が呼んでましたよ。昇級の話だったりして、課長に抜擢されのなら、先輩の下で働きたいですね」
そう言ったのは後輩の
歌手の物まねが上手くてひょうきんな奴だ。
今時の若者といった感じだ。
「なら、今日は祝杯ですね。飲みに行きましょう」
そう言ったのはやはり後輩で女性社員の
男性社員に人気があるのを俺は知っている。
「じゃあ行って来る」
俺は社長室の扉をノックした。
いたのは、社長の
そして、専務の甥で、課長の
この3人がいる。
「
専務の
「ええと、製品に致命的なバグでも見つかりましたか」
「惚けるのか。ならこれを見ろ」
専務が出してきたのはプログラムを外注するための発注書。
「これが何か?」
「白々しい。この外注の成果物は一つもないのだよ。架空発注というわけだ。金は払われているから横領だな」
「俺に何の関係が?」
「印を見たまえ。
「そんな馬鹿な」
寝耳に水とはこのことだ。
俺は何も知らない。
その書類に俺の印鑑が押されていたのだ。
とうぜん俺は押した記憶などない。
それに外部に発注する権限もない。
「
そう言ったのは課長の
この事件に課長の
やろう、俺の机を開けて印鑑を盗んで使ったな。
「残念だよ。君にはこの会社の幹部になってもらう予定だったのに」
そう言ったのは社長。
くそっ、どうする。
ごねても俺の話を信じて貰えるかが分からない。
「印鑑の他に証拠があるのか」
「もちろん、指紋や会話も録音してある」
どうやったかは分からないが、たぶん別の発注の件とすり換えたのだろう。
これだけ証拠があるなら仕方ない。
司法に全て委ねよう。
「訴えろよ。俺は構わない」
「もちろんだとも。横領だからな。言っておくが、首だ」
「俺は無実だ。それ以外もう話すことはない」
そう言って俺は社長室を出た。
「先輩、何だったんですか?」
「横領で首だってさ」
腸は煮えくり返っているがな。
「まさか、そんなの嘘ですよね」
「俺は無実だ」
「そうだと思います。俺も信じてます」
「そんな、先輩が首になるなら、私も辞めます」
「
「私、先輩の無実が実証されて会社に戻る日を待ってます」
そんな日が来るといいな。
机の中の物を段ボール箱に入れて、会社を出る。
とりあえず弁護士だな。
俺は弁護士とアポを取った。
そして、数日後、打ち合わせが始まり。
「
「そんな。無実なんだよ」
「相手は、
「俺は無実なんだ」
「示談することを強く勧めたいですね。確かに裁判をすれば私達の懐は潤いますが、あなたは裁判に負けて費用が更にかさみますよ。親切心から示談をお勧めします」
「もういいよ。示談でいい」
「分かりました。ではそれで進めます」
スマホに電話が掛かってきた。
相手は今打ち合わせをしているのとは別の弁護士だ。
伯父さんが亡くなったらしい。
伯父さんには子供がいなくて、相続人に俺が指定されている。
急なことで大変だったが、俺は伯父さんの葬儀を執り行った。
ほとんど葬儀屋さん任せだったが立派な葬式を上げられたと思う。
伯父さんにはかなり財産があった。
大きいのは持ち家である不動産。
1等地だから、億は下らないだろう。
リフォームすれば家付きで売れる。
そして現金が1千万。
一気に金持ちになった。
俺はアパートから伯父さんの家に引っ越した。
横領の穴埋めは痛いが、これで何とかなる
お釣りさえ出るだろう。
――――――――――――――――――――――――
俺の収支メモ
支出 収入 収支
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貯金 381万円
遺産(現金) 1,000万円
弁護士費用 35万円
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 35万円 1,381万円 1,346万円
相続税 2,000万円
示談金 3,000万円
遺産(不動産) 10,000万円
不動産は軽く見積もった。
来年の固定資産税が怖い。
だが家が売れれば取り返せるはず。
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