「掌編 短編小説」を含む小説

月末の夜、部屋に置かれた一枚の不在票。 ホームに響く轟音、交わらなかった視線。 日常の光景の中に、欠けたままの風景が静かに浮かび上がっていく。

短編って短いからこそ面白さに違いが出やすいですよね…… そこで、1000文字未満の短編・ショートを集めました! タイトルを見て気になったものだけでも、是非読んでみてください! 不…

女のクラスメイトが、暴漢に酷いことをされて死んだ。 名前も覚えていないような関係値の人間である。別段思うところはなかったが、悲しいふりをして、痛哭する演技をした。クラスの連中も…

寝ても寝ても眠い。 休みの日、前日まではあれもしたいこれもしたいと思っていたけど、目が覚めた途端にもうなにもしたくない。

私は女しか抱けない。

来ないバスを待つふたりのお話

高校生の悠月（ゆづき）と日楓（にちか）。ふたりは幼馴染でクラスメイト。 描かれるのは青春の1ページ。12の時間の中で、ふたりの想いが揺れ動く。

社会人になり、パワーがなくなってきた。 義務。責任。体裁。あらゆるしがらみが俺から俺らしさを奪っていく。聞き分けがよくなり愛想笑いも板についた。いつだって柔和な態度でコミュニケ…

月が出ている。彼女と僕を照らし出す。

ロンドン郊外の静寂を破ったのは、著名な東洋学者、ヘンリー・ファーガスン教授の死だった。内側から固く閉ざされた書斎で発見された遺体、しかしワインに毒は入っていなかった……。完全な密…

「物」や「景色」に思い出が詰まっている人、少なくないと思います。 「風」はどうでしょうか。 目には見えない、形が無い「風」だからこそ 目には見えなくて形が無い特別な何かを届けてく…

この手紙は大変身勝手なものだから読まないように。 誰にも読まれない手記をなぜ残すのか。それは私の狭量に他ならない。秘密を残したまま墓に入ると思うと、胸が張り裂けそうになるのだ。…

近くにいたのに言えなかった想い 素直になれなかったってこと、ありますよね

2026年――某大学生成科学研究室。物理学者は、既存の理論では説明不能な宇宙の特異点に直面していた。彼女の隣には、透明ディスプレイに宿る共同研究者「サトリ」。「ヒト」と呼ばれるこ…

家庭は普通だし事件に巻き込まれたとかトラウマがあるとか、別にそういう特別な事情があるわけではないのだけれど、私は何か、人生に対して酷く絶望している。

生きていると出会いたくもない人間との出会いがあるし、離れたくない人間と離れなくてはいけなくなる。 「だから僕は一人がいいんだ」 　 佐伯は静かに言葉を落とした。俺には一瞥もくれ…

かつて小説家を夢見ながらも、その夢を諦め、惰性の日々を送っていた主人公。未完のファンタジー小説『書斎を燃やせ』の登場人物が世界を望み、現実に干渉し始めているというが……はたして主…

最愛の人が死んだ

好きな男が自殺した。 とはいえ、何が変わったわけではない。 別に彼がいなくたってお腹は空くし夜は眠い。楽しい事や嬉しい事が尽きたわけでもなく、来月に行く名古屋旅行は今も待ち遠し…

伝説の林檎の木の下で愛を囁けば相思相愛になれる──そんな噂を信じ、私は愛する彼女を連れ出した。真剣な想いを胸に伝えようとするが……待っていたのは予想外のオチ！？　恋と笑いの掌編ラ…