「滲む」を含む小説

冷たい風。川は滲んでゆく。

原野を往く。言葉に誘われるまま、盲目的に、前へ。前へ。 切り株になってしまった老樹に腰かけて、綯う糸を探すけれど、 涕涙が滲む視界ではちっともおぼつかない。 視界はぼやけ、世界…

中、高の6年間をかけた部活。最後の年である今年、集大成とも言える大会が中止されてしまいました。 隠しきれない絶望に立ち直れない今の醜い私が、初めてエッセイを書きます。 いつか乗り…

あらすじ ーーこれは、真実を探す物語 ♢♢♢♢♢ 絶対的な国力で他の国を圧倒する帝国ウルカ。その帝国のある村にリオンという奴隷の少年がいた。 リオンは、魔力の潜在能力が極…

タイトルとキャッチコピーとそれらから滲む少しの何か。 ロリ✖百合✖スキンシップな物語。

　中学最期の夏、遠くで揺らめく陽炎を眺めながらボンヤリと、その踊るような熱に浮かれていた。 　ジワジワと暑く、ジーワジーワとうるさい。 　眩む視界、揺らぐ体、汗を拭った額から滲…

たった一つの事柄が噛み合わないと人生の彩は違ったグラデーションとなるのです。

血が滲むような努力の末にやっと憧れの学園に入学することを果たしたカリウス・ロウド。しかし登校初日にＤクラス、いわば落ちこぼれの集まりのクラスだと言われる。 それだけなら良いものの…

産業革命期のとある世界。少女たちにだけ発現する症状、「インクの蜂鳥」は世界中を狂わせた。 美貌を保ち、まさに蜂鳥のように文字を舐める少女たち。迫害から逃れる術は、空中に浮かぶ鋼鉄…

　外套のような装束に身を包んだ二人組である。装束はただただ黒いばかりで一切の模様もない。冗長とも言えるほど長く伸びた襟の奥には月明かりに照らされて白い仮面が滲むように浮び、仄暗く…

僕は死にたい。 だから死神を召喚して殺してもらう事にした。

　ここはエイコー大陸の西：ポメラニア帝国。賢帝と名高い　第１４代　シヴァ帝が治めていた。 しかし、かの|帝《みかど》は政変に巻き込まれ、命を落としてしまう。 　シヴァ帝亡き後、…

【カクヨム3周年記念選手権　2日目！　その①】 僕：幼馴染であるセリカと共に戦い続けて来た剣士。 セリカ：魔王から世界を救う事を運命づけられた『勇者』。僕の幼馴染。 あいつに…

水門の見える公園で酒を飲むのが日課な静雄は、話友達の秀が連れてきた少年の頼みを聞くことになる。

【誕生花シリーズ　217】 今日の誕生花をモチーフにした、3分で読めるお話です。 練習のため拙いことにはご容赦くださいまし。 ※関連話に　ブラッディ・メアリー　があります。 h…

　誰でも経験があるかも知れない、「間に合わない」という状況。 　この男――兼代　鉄矢（かねしろ　てつや）はその状態で戦い抜く。 　トイレに行かせまいと立ちはだかる敵・「魔念人」。…

幼い頃に英雄になると誓いを立てた少年、柳吊古月。 『英雄』というものに固執し、全てをかなぐり捨てて血の滲むような努力を続けてきたが、高校二年になってしばらく経った春の日辺りか…

――――名刺、それは、営業マンにとって、ビジネスシーンで戦う武器。 ――――――――名刺、それは、会社員にとってのステータス。 ――――――――――――名刺、それは、企業戦士にと…

―満開の桜に願ったのは、貴方との未来。 荒波のような戦国時代の終わりに交わした、再会の約束。 それは、心を照らす希望で、残酷な絶望だった。 ※初投稿です！他で書いた作品をアレ…

一か月の昼飯代を水族館の年間パスポートに変えた。 自分の居場所を確保するために。 久しぶりに訪れた水族館で、僕は目を疑う光景に遭遇した。 オーシャンブルーの光に照らされた大水槽…