「歌うたい」を含む小説

　呪われると言われている白い髪を持って生まれたことを理由に、親族から迫害を受けていた少女・アリアは、彼女の身を案じた母親によって孤児院に入れられ、そこで育てられた。幼少の頃から歌…

北太平洋の深い水路を、ただ自分のリズムで往復し続ける一頭のクジラがいる。 既知のどの種とも違う、52ヘルツという少しずれた高さで歌うその個体は、同じ海を泳ぐ仲間にも、海面を走る船…

　長編大河SF「少女は大宇宙で虹と歌う」の世界設定を本編キャラクター・アイリスの相似存在が説明する、解説サブテキストです。 　本編の連載に併せて解説内容が追加されて行きますが、一…

ビビは15歳の人魚の女の子。大好きな姉が近々結婚するのでショックを受けている。姉は美しく冒険心に富み、海の上にも出かけていた。そこで歌を歌ったりしたのだという。ビビは自分も海の上…

顔を隠して歌う歌手“OTO”。
 名前も顔も明かさず、ただ“声”だけで夢を追い続けてきた。
 忘れられない人がいる。
 2年前、雨の路地で出会った青年、ユキ。
 後で知った——画…

表現者が集まる都市、灯影市。 芸能と異能が入り混じるこの街で、一人の青年が再出発を迎える。 彼が歌えるのは、わずか一分だけ。 その一分は最強で、そして最も儚い。 これは、声に…

不協和音にも似たトランペットの音に包まれてキャロルは今日も歌う。 人造人間による格差の拡大、それによってもたらされた戦争という名の悪夢、そんな最中に彼はいる。 狂気に満ちたその演…

都内の小さなマンションで暮らす大学生・水野結衣。 夜になると彼女は、“ろな”という名前で歌を録音する。 聴いてくれる人はほとんどいない。 それでもマイクの前に立つのは、 声を出す…

冬のコンビニの灯りと、君の「おかえり」。 壊れた心を抱えた二人が、少しずつ温め合う、ひそやかな再生の物語。 二十六歳の中国人女性・李星光は、夫の不貞で突然の離婚。 ビザと生活費…

「目が覚めたら、俺の体が岩石になっていた」 　海で溺れた人を助けて死んだはずの音大生・正樹。 　次に目覚めた時、彼は異世界で言葉を発することのできない巨大なゴーレム（岩石の塊）…

大学生のハルトは誰に聞かせたいわけでもなく、路上でギターを弾き始める。 そこに現れたのは女子高生のミク。 ２人はほとんど素性を知らないまま、ハルトが歌う日にだけ再会を繰り返す…

ネット上で人気な歌い手をしているレイもとい裏背零は、鬱屈とした毎日を送っている。悲観的マイナス思考で、いわゆる病み垢で深夜まで潜っては、リストカットや市販薬の多量摂取を繰り返す。…

未解決事件、いわゆる迷宮入りする事件が増える傾向にある近年の日本。捜査困難のレッテルを貼られる事件の中には現在の科学では説明がつかないものが多々ある。 そんな事件を専門に扱うため…

「歌いますか？　それともVを辞めますか？」 底辺Vtuberの天上テルは、所属事務所から究極の二択を迫られていた。 同じ事務所に所属する和歌良瀬ルナの歌ってみた動画がバズったこと…

夜ごと聞いていた父の子守唄。 　大人になって思い返す、その優しさー 　記憶の中の父はいつも気難しい顔をしていた。 しわがれた声で、私が歌うと不機嫌そうな顔をする。 記憶に残る父…

幼稚園の頃、音楽は空気の中で光っていた。 鍵盤ハーモニカ、合唱、音楽室に響く歌声――音楽はいつも私のそばにあった。 しかし中学生になり、合唱祭の練習の中で、歌声を否定される経験…

「ラブソングなんて、書けない」 ボカロP「asari」として三年間活動してきた朝霧円香。登録者三百人、再生数は伸びず、受験を理由に活動をやめることを決めた。 そんな彼女の曲を、必…

大地は歌うのをやめ、平穏は乱された。 辺境の村の次男、ローランは故郷を去った。 これは、英雄の物語ではない。 世界を変える特別な誰かではなく、ひとりの男が残した確かな足跡、 …

　誰かが私を拾って、誰かが乳をくれた。たまたま生き永らえた。とある小さな町で歌を歌い、踊りを踊り、その日その日を無感情にやり過ごしていた少女は、ある日街に抜けるためにやって来た楽…

宮廷歌姫の“声”は、かつて皇帝が封じた禁断の力？　翠蓮は孤児と蔑まれるが、才能で皇子や皇后の目を引き、後宮の争いや命の危機に巻き込まれる―― その声の力に怯えながらも、歌うこと…