「しなやか」を含む小説

――平凡な男子大学生・湊は、ある出来事をきっかけに大胆な選択をする。 それは、自らの肉体を磨き上げ、“女性”として生きる道だった。 手に入れたのは、舞台でも街でも人々の視線を奪…

いのちが痛がる音がする

藍原雫。 才色兼備の生徒会長。 私にはなぜ藍原さんが生徒会長になったのかは知らない。内申点目当てか、学校を変えたいという高尚な思いのためか。 けれど量産系の没個性な私と違って…

■ コンセプト • 幼馴染だった“彼女”が人気アイドルに成長し、再会した主人公が裏方スタッフとして彼女を支える • 友情と片想い、仕事とプライベートの狭間で揺れ動く心情を丁寧…

現代で髷を愛する采女は、ある夜、矢文で謎の求婚を受け、毛羽毛現に神おわす神域へと誘拐される。 そこには、人々の信仰喪失により精神が崩壊し、五人に分裂した神々がいた。 彼らを救う唯…

「アリム=イスファール。本日より妃として登宮する事を命ずる」 星王に見初められ、運命の歯車は動き出す。 血統も身分も異なる商人の青年は、嫉妬と偏見が渦巻く宮廷で、孤独と戦いながら…

　一匹の黒猫が埃と書物に満ちた部屋を歩き回る。 　机の上にあるフラスコを見つけ、そのしなやかな肉球がガラスに触れた。 　中の液体が湧き上がり、ぐにゃりと形を成す。 　ツバの広い…

鋭い目つきに、細く、しなやかな体躯。 学校の中で一番身長の高い、三年生の私は、周りの子から畏敬の念を込めて「ヘビ先輩」と言われていた。 ……とても、言い得て妙なあだ名である。 …

新しい場所へと向かう春。そんな不安定な地で人との出会いや揺れる想いを表現してみました。

　ドラゴンの肉を専門に扱う料理人が存在する。 　上質な香りとしなやかな肉質を持ち、それでいて脂の乗った部位は信じられないほど柔らかく、市場における価値は非常に高い。 　祖父…

「夢と現の狭間から」 ―それは、誰かの魂にだけ届く、目に見えない物語。― この世界は、見えるものだけでできていない。 瞑想の中、まどろみの淵、ふとした瞬間に現れる“何か”の気配…

ボロアパート「やわらか壮」には、さまざまな事情を抱えた人が住んでいた。 ゲイバーの雇われ店長・ゴロウ。 ニートのあづき。 やわらか壮の大家である里枝子ばーちゃん。 そして……どこ…

　薄闇の中、吉野ヶ里丘陵の南端に広がる平野を照らす篝火が、若きウズメの肌を妖しく浮かび上がらせていた。彼女はまだ二十歳にも満たぬ年頃だったが、その肢体はすでに成熟し、神々が泥土か…

ブルックス侯爵家の令嬢ティアナは、美食こそ人生の喜びと信じる才媛。ところが婚約者ライオネルが第三王女と背徳の関係にあると知り、華麗に婚約破棄を敢行。自他ともに認めるグルメ魂を武器…

孤独な少年オーリは、８歳で悪霊が出る森に捨てられた。 それは、ケガレと呼ばれる悪意の塊。 殺される！と、オーリが思った時、闇の中に白く舞う姿があった。 助けてくれた美しい娘は、ユ…

仕事のストレス、恋愛のもやもや、人間関係のいざこざ——そんな日常のあれこれを抱えながら、会社帰りにフィットネスヨガに通う30代女性・結月（ゆづき）。 呼吸を整え、体を伸ばし、心を…

氷のように冷たく傲慢なロシアの男と、桜のようにしなやかで誇り高い日本の男。 決して交わることのない二人が、運命に導かれるように衝突し、そして惹かれていく。 名門外交官の家系に生…

「力による支配は、もう終わりにしましょう」 　南米・リオデジャネイロで開かれる経済会議。そこに集まった四人の女性外交官たち。日本から最年少の女性公使として派遣された朝霧凛子、中…

僕と同期入社の巴御前、いや笹森巴絵さん。本当にヘンな人なんです……。

妻を亡くした津田啓介、72歳。 独りきりの暮らしに慣れることができないまま、博多駅ビルのパン教室に足を運ぶことになる。それは、かつて妻・芳江が通っていた場所。生前、芳江が熱心に焼…