「幻想 短編」を含む小説

白く霞む春のホームで、青年・蓮はひとりの女性と再会する。 彼女は「遥」と名乗り、かつて失われた記憶を静かに揺り起こす。 現実と幻想が溶け合う中、蓮は封じていた“春の終わり”と向き…

日常の合間にふと、脳と心のゆらぎ空間へと湧き堕とされる禁体験…。 それは浄化できない自己投影の産物なのか？ 心の芯底で茹であがった深層世界が降臨する…、幻想系・ホラー調ショートシ…

竜と人の狭間にある者たち。 竜人を主体とする異世界群像劇ファンタジー『ドラコニダム』の掌編短編集です。 世界を知らなくても楽しめる、断片的な物語です。 ◆１話ごと完結 ◆作中各期…

主人公が小さななにかを育てるはなし

書き留めていた短編小説をまとめました。 出来次第ぼちぼち更新していこうと思います！

とある老人の葬儀で、私（＝スライムテイマー兼作家）は中年男に話しかけられます。 それがきっかけとなって、深く沈められた過去の記憶が静かに蘇り始めます。 ギア・コレクターの老人、…

ご観覧いただき、誠にありがとうございます。 一時間で書き切った短編です。 お楽しみいただけたら幸いです。

爪が落ち、皮膚が溶け、甕に溜まる。私はあなたの液を吸う――室町の古文書に記された、肉体崩壊の悪夢。

「水」にまつわるテーマで「死」や「葬儀」の話を書きます。全部大体一話完結の短編です。以上。

死を目前にした老人が、ふと思い出したのは、深夜の公園で出会った一人の子供。 それは、60年前に死んだ隣家の子供だった――。 誰の記憶にも残らなかった顔。夜だけ現れるブランコの音。…

人生に閉塞感を感じていた私は、ある日いつもの帰り道で見たことのない古い店を見つける。その店の棚一面に並べられた瓶には、美しい景色や不思議な景色が閉じ込められていた。これは世界の瓶…

1話　鯨と私 2話　サソリと現実

「この世界には王子様がいる」と信じる32歳のロマンチスト、あかり。両親の不仲という過去のトラウマから逃れるように、彼女はメルヘン喫茶を営み、理想の愛を夢見ていた。しかし、現実は経…

いわゆる奇譚に分類される物語を掌編ないし短編形式で不定期にお届けします。 頭から順にでなくとも、お好きなものから摘まんでいただければとーー

重い導入ですが、ぜひ2話まで読んでみてください。 平凡で目立たない高校生活を送るナツメは、ある日世界から特定の色が消失していることに気づく。雨粒の透明感、空の物足りなさ、制服の…

私が生まれた地域には、地元住民から「べんがらさま」と呼ばれる古い神社があった。 　村落の急激な衰退と、山の開発がすすみ、今は高速道路の工事のために一帯が更地になっている。 　以下…

丹瘴。それは病であり、人の貌を失い獣へと変貌させるもの。 丹瘴の跋扈するそんな地で、一人の詩人が人のまま消えようとする。 肉体は崩れ、爪は伸び、言葉すらも歪んでゆく。 それでも…

　夜の海辺に小さな駅があった。電車も通らず人も来ない、廃駅としか思えない駅である。 　笑うことができない「私」は、そこへ行くのが好きで、毎晩そこにいる男性と話して日々の疲れを癒し…

喪失を抱えた男が、ひとりの女性と出会い、 やがて、言葉少なに、静かな日々をともにするようになる。 不器用なまま、与え、受け取り、 ふたりは、情熱と痛みを少しずつ分かち合っていく…

冬の夜。 風の強い河川敷に向けてベランダからマッチを投げる。何度投げると火がついて徐々に広がっていく炎をぼんやり眺める。 それが楽しみだった。 火に取り憑かれた男の生涯。 …