概要
頭から順にでなくとも、お好きなものから摘まんでいただければとーー
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!蟻地獄に、落ちてみませんか?
まず、とにかく読んでみてください。
どうでしたか?
ゾクッときて、奇妙で。
ふわふわした感じが心地良い。
すこし可笑しな話だったり、童話のように綺麗なお話もあります。
何より、文章が緻密で美しくて、独特の比喩も癖になる。
どうやったらこんな風に、様々な文体で書けるんだろう、と不思議な気持ちになります。
次は、作者様の他の物語を読んで来てください。
面白い。やめられない。止まらない。凄い。
きっと、もう一度、ここに戻ってきたくなるはずです。
どうですか?
なんだか、すこしだけ霧が晴れた気がしませんか?
うまく言葉に出来ないけど、蜃気楼のように一瞬だけ、〝見えた〟気がしませんか?
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!硝子が、わたしたちを映していた
過去を抱えたふたりが、静かに、穏やかに、日々を過ごしている。
雨音と紅茶の香りが漂う書斎、触れ合う指先、交わされる小さな言葉たち。
それはまるで、壊れやすくも透明な硝子のように、柔らかく心を満たしていく。
そんな日常の中で舞い込んだのは、一つの連絡。
かつての教え子、水野千沙。
硝子工芸作家として注目を浴びる彼女が再び求めてきたのは、
『あなたのそばで夜を過ごした硝子の破片』だった。
不思議なその依頼の先にあったのは、
記憶、関係、無意識の対話。
少女と鮫、そして卵のかたちに結晶した声が、
誰かの中にそっと宿った温もりを呼び起こしていく。
硝子のように繊細な感情を、
硝子のように純粋な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!おかしな噺
通常、文体にはその人のDNA🧬というものが表れます。音楽で言えば、ベートーヴェンの作品にはベートーヴェンの、モーツァルトの作品にはモーツァルトの、ブラームスの作品にはブラームスの刻印とも言うべきDNAが埋め込まれているものです。
でも、どうでしょう?みなさん、こちらの短編集を読んでみてください。まぁ、分類すれば、きっと4つか5つぐらいには分けられると思いますが、それぞれに明確に異なる特徴がそれぞれに表れていて、とても同一人物の作品とは思えないほどです。
私は読みながら筆者と会話を交わしていました。すると、どうでしょう?服を着替えるように文体も着替えたいと言うのです。同じ脳内から出るのに語…続きを読む - ★★★ Excellent!!!なんて完成度の高い短編世界なのだろうか
レビュー失礼いたします。僕は中期の村上春樹や、強烈に真反対の西村賢太がすきです。古典ではチェーホフが好き。
海外作品ではレイモンド・カーヴァーが好きです。
これらの作者の共通点としてストーリーを見せることよりも、言葉で表現しようがない空気感、空間、意識の流れ、世界をあえて言葉で、この世界に新しく生まれてこさせること(勇敢にも)だと思います。(私信です)
この作者様はそのことに成功しています。
一つ一つの短編に見たことがない、この3次元で体験したことがないもう一つの世界がたしかに広がっています。
この作品が無料で読めることに感謝です。