おかしな噺

通常、文体にはその人のDNA🧬というものが表れます。音楽で言えば、ベートーヴェンの作品にはベートーヴェンの、モーツァルトの作品にはモーツァルトの、ブラームスの作品にはブラームスの刻印とも言うべきDNAが埋め込まれているものです。

でも、どうでしょう?みなさん、こちらの短編集を読んでみてください。まぁ、分類すれば、きっと4つか5つぐらいには分けられると思いますが、それぞれに明確に異なる特徴がそれぞれに表れていて、とても同一人物の作品とは思えないほどです。

私は読みながら筆者と会話を交わしていました。すると、どうでしょう?服を着替えるように文体も着替えたいと言うのです。同じ脳内から出るのに語り口が全くの別人!

どうです?おかしな噺でしょう?

ちなみに、描写されるファッションや小物、風景などもオシャレ。そして、たまに深い造詣に裏打ちされた洒落も効かしてくる。この人、バーとかで何人もの女性をこの妖しい雰囲気で口説いてきたのではないか!?と邪推したくなるほどの変幻自在ぶり。

本当かって?

ご自身の目で確かめてみてください。

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