「和風あやかし」を含む小説

明治の華族家の中に、退魔の力を持つ西の阿倍野家と、邪気を祓う霊力を持つ東の神部家が存続していた。両家は妖怪、悪鬼から日本を守る二大柱として東西に分かれていたが、代を追うごとに力が…

声劇で生計を立てている和泉雷志は人気のある声伝師だった。 そんなある日、盲目の少女と出会う。 声劇で演じている声の主を探しているという。 その声の主とは雷志であり、身バレを防ぐた…

初恋の瞬間は突然訪れる。 一族屈指の悪ガキ・朝乃丸は、祢寧姫に出会ってからというもの人が変わったようになった。 祢寧姫の従者となるため、そしてそうあり続けるために模範的な剣士へ…

人形師・奉日本燈史郎(たかもととうしろう)のもとで目覚めた少女・百夜(びゃくや)には、一切の記憶がなかった。 しかも、その身体は燈史郎が作った人形のもの。人形師のかたわら妖関連の…

立派な御屋敷に連れてこられた翡翠は、思いがけない恵まれた待遇を受けながら、任された仕事に励む日々を送っていました。 ある日突然現れた女の人に自分の存在を否定され、妙なモノを見せら…

綾部雛が暮らす「明石屋」は、ちょっと変わった民宿だ。 と言うのも、そこに暮らしている個性豊かな住人達は実は全員あやかしなのだ。 しかし雛は、ある事情により、あやかしたちと距離を取…

「──仕方がないので、私があなたを守ってあげます」 「君、規格外すぎないかい？」 あらゆる妖を退ける「破魔体質」の千依は特殊なその身を活かし、妖を物理（拳）で雑に祓いつつ、違法…

　舞を生業とする家に生まれながら日陰の身だった楠緒子。 　彼女を見初めたのは、舞の名門物部家の当主であり「花太夫」の不比等。 　彼は楠緒子に、自分の「舞姫」になってほしいと告げた…

祠の生贄として祠に閉じ込められて死を待つだけだった春代は、死にたくないと願う。そして、その声に応えるように返事が来た。目を開けると祠は崩壊し、春代は紅蓮に抱き抱えられていた。嫁に…

時は文明開化の世、没落士族の娘である高山雪乃は、手習いからの帰り道、怨霊と遭遇してしまい、退魔師であり薬酒屋の主人である薬師寺京介に救われる。しかし、怨霊は誤って雪乃の体に封印さ…

　雑貨屋「五十鈴屋」で働きながらゲームを趣味としている、何処にでもいるような青年、五十鈴裕昌(いすずひろまさ)は、保護猫カフェで片前足のない黒猫を譲り受ける。黒音と名付けた愛猫は…

闇深き都の片隅、「夜鴉堂」を営む男、茨木。彼は、人に紛れて生きながら、法では裁かれぬ悪しき人間を、使役する妖怪の力で断罪する「闇の裁き人」だった。冷徹なその瞳の奥には、過去に人間…

入内したばかりの月草の姫の元に帝がお渡りになるその日、後宮は不気味な静けさに包まれていた。 なんでも帝が物の怪に憑かれているのではないかと、女達が怯えているのだという。 月草の姫…

★毎日19時頃更新予定★ 「殺す価値もない」と蔑まれた少女が、 十二華族最恐の男の〝花嫁〟に選ばれた――。 納戸に追いやられ、妹の影で生きてきた結花里。 ただ夢の中で会える母と…

朝田瑛晴（あきてる）がある日、人成らざるもの『邪魂』と遭遇し陰陽師に助けられる。 この出会いは偶然か、それとも運命か。

千年以上前から、とある巨木の桜を守る桜守を役割とする家に生まれた、桜塚心護（さくらづか　みさね）。 彼女が十五歳の時から、日本には冬が来なくなった。冬が来ないということは、春が来…

「これを飲めば君は僕の従者になり――三ヶ月後に記憶を失う」 ――高貴な東園寺家の長女でありながらも、妖と人の混血で家族からも使用人からも冷遇された「燈子」は、九尾の妖である「九焔…

その日瑠奈は最悪な日だった。長年付き合った彼氏に捨てられ、職場では上司にいびられ、飲みの席では笑いものにされ、極めつけに終電を逃した雨の日。一人の狼の妖に出会う。彼は何者で目的は…

霊力で階級が決まる学園で“落ちこぼれ”と呼ばれる美桜は、ある日突然、学園最強のあやかし・九尾の天狐・白月に「俺の花嫁になれ」と告げられる。 それは、一族の面倒な縁談を断るための…

神と人と妖怪が住まう日の国。 そんな世界の日常の一編。