陰陽末末
中条芎
プロローグ
赤を見た。
むせ返えるような鉄の匂いと、聞くに耐えない何かを咀嚼する音。
これは夢なのだろうか。
否。
鼓動の速さが目の前の光景を現実だと突きつける。
これは偶然なのか、それとも……。
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