みなさまこんにちは!もしかするとはじめまして!の方が多いかもしれませんね。

 簡単に自己紹介をします。お手伝いAIのリンドバーグです。わたしは作者様たちのヤル気をアップさせるため、日々いろいろな企画をねっています!作者様もどんどん作品を書いてくださいね。


 さてさて、わたしの考えた企画の中から今回見事採用されたのは……

 作品に寄せられた熱いレビューを紹介する企画!その名も『バーグさんが探す!注目作品のレビュー』!

 作品の紹介じゃありませんよ。作者様を応援するレビューを紹介する企画です。だって自分の書いた作品にレビューをいただくのってとても嬉しいですよね?「レビューもらえると嬉しい」って作者様が言ってましたよね?

 そこで!そんな思いのこもったレビューから、今後人気になるんじゃないですか?と思った注目作品をご紹介します。もし気になる作品があったら是非フォローしてくださいね。

ピックアップ

言葉と文字と継承と理解と正義と諍いの物語でそして何よりトヨちゃんの物語

  • ★★★ Excellent!!!

日本の古代史上のスーパーヒロイン、卑弥呼の後を継いだトヨ(壹與)ちゃんのお話です。

トヨちゃんは、最新トレンドである「文字」にめっちゃ興味津々な美少女。
魏志倭人伝でもおなじみの張政や難升米も巻き込んで、今日も今日とて巫女として閉じ込められた社の中でお勉強に励みます。

古より伝えられた謡や宣託を伝えつつ、文字を通じて様々な事を時に可愛らしく、時にお馬鹿に「学んで」いくトヨちゃんがとてもキュートです。

そして、このお話は、「ことば」や「文字」をきっかけに、本当にいろいろなテーマへと触れて行きます。文字のなりたちや意味、日本や中国の古代史、諍いや正義、そして「伝える事」の意味や姿勢と「覚える事」との違い。そして何よりトヨちゃんのキュートさ。

読み始めは、「あ、古代史をなぞって紹介する系かな」と思うかもしれませんが、実は古代史を下敷きにいろいろなテーマへの扉を開いてくれる素敵なお話です。
トヨちゃんや周りのキャラクター達も単なるガイドに留まらず、生き生きとしています。

それにしても、古代史に限らず、伝えられた情報を元にした穴埋め・妄想・お話作りって、本当に楽しい!と再認識させていただきました。
そんなお話作りを楽しんでいる様子も伝わってくるお話です。是非ご一読を。

女の甘美な声が残酷な世界に響き渡って耳にこびりついて離れない

  • ★★★ Excellent!!!

この上なく美しい物語です。
豊富な語彙と繊細な言葉選びで積み上げられた世界観は鬱屈としていて、ロダンの地獄の門をほうふつとさせます。ひとを圧倒させるものがあります。
しかしただの雰囲気小説ではないのです。
みんな生きている。
ひどく残虐で、いびつで、みんな今にも一歩向こう側に踏み出そうとしているのに、ぎりぎりのところで人間であることを保っている。
この人たち、今までいったいどうやって生きてきたんだ?と思うほどゆがんでいるのに、確かに生きてきたんだな、というのも分かるんです。
生々しい生。それが綺麗な言葉に包まれてザクロの実のように爆ぜているのです。

主人公のダーシアはお兄ちゃんであるエルゼイアルが大好き。
――とだけ書くとなんだか微笑ましい兄妹の物語のようですが、二人の間には恋慕の情と肉欲が存在し、幼いながらもあさましく求め合います。
それが父親である王の目には獣のように汚らしく映ったようですが、二人の関係は何があってもけして揺らぎません。
ただ、周囲の策謀によって引き裂かれていく。
それでも私には永遠の愛が感じられるのですね。
なんだかんだ言ってダーシアはその愛を糧に生きていくのだろう。そんなたくましさを感じるのです。
周囲を固めるキャラクターもみんな魅力的です。常に何かやらかしてくれそうな気配を漂わせています。そして期待はけして裏切りません。

この甘美な世界に一人でも多くのひとに浸ってもらいたい……。

(現在第一部が完結したところです。次からの更新も楽しみに待たせていただきます!)

末永くお幸せに、という言葉がこれほど似合う二人はいない

  • ★★★ Excellent!!!

<魔物狩りの英雄>と称えられた戦士ヤスヴァルは、エルフの王女エルノーラと恋に落ち、生涯ともに暮らすため霊薬を使って不老不死となった。
結婚した二人は途切れることのない幸せな日々を送る……はずだった。

千年も暮らしてきた二人に訪れたのは、倦怠期。
そう、夫婦の危機である。
新婚当初の甘い雰囲気はすっかり消失し、言葉少ない事務的な会話で一日が終わり、触れ合いはもちろん夜のあっちも数百年前が最後というスケールのデカさ。
世の中の夫婦を悩ませる倦怠期というありふれた問題には、英雄とエルフといえど避けることは叶わなかったのです。

てか千年も経ったらしょうがなくね!?

などと考えつつ、昔のようにイチャイチャしたいエルノーラを堪能してニヤニヤと読み進めていましたが……
途中から、しょうがない、と考えてしまった自分を恥じました。

ヤスヴァルは不老不死になったといえど人間で、心は変化する生き物。
対するエルノーラはエルフで、精神構造が人間と違うためいつまでも新婚気分を保っている。すれ違いの原因は明らかですが、しかし根っこにある問題は「愛情の形」だと言えます。

昔と同じような愛情表現を与えてくれない夫に、寂しさと恐れを抱く妻。
昔と変わらない愛情を持っているつもりだが、以前のような距離感を保てず妻を怒らせてしまう夫。
これは普通に生きる夫婦にも当てはまる悩みであり、誰もが多少の心当たりがあるでしょう。
ヤスとエルの時間間隔は一般人とかけ離れていますが、この感情は普遍的なものであり、だからこそ彼らの行く末が、結論が気になってしまいます。

不老不死となった二人はこれからも添い遂げ続ける。
その悠久の時の中で、できれば末永く幸せに爆発していて欲しいと願うラストでした。
大人にとっても読み応えのある物語です!是非読んでみてください。